【メルマガVOL.32】シートで基材を守る!フッ素樹脂シートライニングのご紹介
こんにちは!㈱吉田SKTの小島と申します。
皆さんは「シートライニング」についてご存じでしょうか?
フッ素樹脂の「コーティング」はフライパンなどで良く知られていますが、「シートライニング」はあまり馴染みがないかもしれません。
しかし、化学プラントなどの耐食性が要求される現場では非常に重宝される施工方法です。
今回のメルマガでは、フッ素樹脂を使用したシートライニングについて詳しくご紹介します。
ぜひご一読ください。
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■INDEX■
1. フッ素樹脂シートライニングとは?
~フッ素樹脂ライニングの中のシートライニング~
2. フッ素樹脂シート材について
~シートライニングの種類~
3. フッ素樹脂シートライニングの施工方法
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1. フッ素樹脂シートライニングとは?
シートライニングとは、特定の素材を薄いシート状に加工し、基材表面を覆う技術です。
この技術によって基材の腐食や摩耗を防ぐことで、基材の耐久性を向上させるために使用されます。
ライニング材料としては、フッ素樹脂やゴムなどがよく知られており、例えば、ゴムライニングは耐衝撃性や柔軟性に優れているため、振動や衝撃を吸収する効果があります。
フッ素樹脂シートライニングとは、フッ素樹脂シートを用いたライニングのことです。
フッ素樹脂の特徴として、高い耐薬品性と純粋性があります。
化学プラントで使用される薬液タンクや輸送タンクなどは、腐食性の高い薬品にさらされることが多いです。
こういった設備の内部に、フッ素樹脂シートライニングを施すことで、腐食による基材の劣化を防ぐことができ、また金属イオンの溶出も防ぐため、薬液の純粋性を保つことが可能です。
~フッ素樹脂ライニングの中のシートライニング~
一般的にフッ素樹脂ライニングとは、基材の表面や内面をフッ素樹脂の比較的厚い膜で覆う表面処理のことを指します。
フッ素樹脂ライニングには大きく分けて3種類あり、そのうちのひとつがシートライニングです。
下記でそれぞれの概要と特徴についてご紹介します。

フッ素樹脂シートライニングにはあらかじめ成形されたシートを使用するため、シートの厚みに応じたライニング層を形成することが可能です。
また厚膜コーティングやロトライニングのような熱処理が不要で、大きな基材にも施工が可能です。
一方で、基材とシートとの接着強度は接着剤の接着力に依存するため、負圧環境では使用が推奨されません。
フッ素樹脂シートライニングには、PTFEシートやPFAシートを接着剤で基材に接着する「接着ライニング」と、ライニング配管のような、基材に全く接着させない「ルーズライニング」の二通りがあります。
ルーズライニングは限られた条件でのみ使用可能なため、ここでは主に接着ライニングについて詳しくご紹介します。
2. フッ素樹脂シート材について
~シート材の種類~
シートライニングに使用されるフッ素樹脂シート材について、主な種類と特徴をご紹介します。

~シート材の接着方法~
フッ素樹脂は非粘着性に優れるため、そのまま接着剤を塗布しても弾いてしまい、基材へ貼り付けてもすぐにはがれてしまいます。
そのため、シートの接着面には化学的にエッチングを施したり、ガラスクロスまたはカーボンクロスを溶着したシートを使用します。



3. フッ素樹脂シートライニングの施工方法
フッ素樹脂シートライニングの施工方法は、大きく分けて以下のステップがあります。
①受入れ
基材(缶体)がライニングに適した形状か確認を行います。
②下地処理
ライニング面をサンドブラストし、錆や汚れ等を除去し、ライニングに適した粗さに粗面化します。
③シート成形
溶接展開図に基づき、ライニングシート材料をカットします。
④貼り付け(接着)
基材(缶体)の被ライニング箇所と、ライニング材の裏面に接着剤を塗布し、貼り付けます。
⑤開先取り
溶接貼り合せ箇所、隙間の接着剤を除去します。
⑥継ぎ目の溶接
PFAのロッドやテープで継ぎ目の溶接を行います。
※PTFEは溶融粘度が高く、溶融成形が難しいためすべてのライニングはPFAのロッドやテープを使用します。
⑦検査
ライニング面の外観、ピンホールの検査を行います。接着や溶接部は目視や指触などで検査を行います。
<フッ素樹脂シートライニング加工品>

今回のメルマガでは、フッ素樹脂シートライニングの基礎知識から具体的な施工方法までをご紹介しました。
フッ素樹脂シートライニングは、その優れた特性から多くの産業で利用されていますが、
適切な施工と選定が重要となります。
弊社では、ご紹介したフッ素樹脂シートライニングはもちろんのこと、シートライニングに使用する各種フッ素樹脂シートや溶接棒、溶接帯などのお取り扱いもございます。
フッ素樹脂シートライニングをご検討の際は、ぜひお声がけください。
今回もメルマガを読んでいただきありがとうございました。
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