【メルマガVOL.30】屋外でも劣化しにくい！フッ素樹脂の耐候性について解説
こんにちは！㈱吉田SKTの小島と申します。
フッ素樹脂の特性のひとつに「耐候性」があるのをご存じでしょうか？
フッ素樹脂の「耐候性」を利用したものの例としては、ドーム状建築物の膜材など、意外と身近な場所にも存在しています。
また、とあるテーマパークの建築物の屋根にも劣化を防ぐためにフッ素系の表面処理がされています。
今回のメルマガでは「なぜフッ素樹脂は耐候性に優れるのか？」を含め、樹脂の耐候性についてご紹介します。
ぜひご一読ください。
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■ＩＮＤＥＸ■
1. 耐候性とは
2. フッ素樹脂が耐候性に優れる理由
3. 耐候性の高い樹脂、低い樹脂
4. フッ素樹脂の耐候性を利用してできること
～耐候性でモニュメントの腐食対策～
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1. 耐候性とは
耐候性とは、素材が持つ自然環境に対する耐性を指す言葉です。
具体的には、紫外線、温度変化、湿度、降雨などの自然環境条件に対する抵抗力のことです。
また、意外なものでは酸素による酸化反応も素材を劣化させる原因となる自然環境のひとつです。
身近な例として、ガードレールのチョーキングや錆、プラスチック製品を屋外に置いておくと発生する色あせや割れなどは自然環境による劣化の可能性が考えられます。
耐候性が高い素材ほど、屋外の自然環境において変形・変色・劣化が起こりにくいと判断できます。
そのため、長期にわたって屋外で使用するものを設計・製作する場合、「耐候性」は重要な要素となります。
2. フッ素樹脂が耐候性に優れる理由
フッ素樹脂は、「耐熱性」や「撥水性」など多くの特性を持っており、「耐候性」もその中のひとつです。
ここでは代表的なフッ素樹脂であるPTFEを例に、なぜ耐候性に優れるのかを解説します。
PTFE分子は、炭素原子Cとフッ素原子Fで構成されています。
このCとFの原子間結合力は、化学結合の中でも最も強固で安定した結合のひとつとして知られています。
CとFの結合エネルギーは、屋外における劣化要因のひとつである
紫外線のエネルギーよりも高いため
結合が破壊されにくい（＝劣化しにくい）のです。
3. 耐候性の高い樹脂、低い樹脂
フッ素樹脂以外の耐候性が高い樹脂として、ポリ塩化ビニルやポリカーボネートが挙げられます。
ポリ塩化ビニルは、塩ビとも呼ばれており衝撃への強度の高さが特長です。
配管や水道管のパイプなど、皆さんが日常でよく目にする素材として広く使用されています。
ポリカーボネートは、高い衝撃強度とガラス同等の透明度を併せ持ち、
カメラレンズや自動車のヘッドランプに利用されています。
ただし有機溶剤や界面活性剤には弱く、ひび割れや変形を起こす可能性があります。
反対に耐候性の低い樹脂としては、ポリエチレンやポリプロピレンが挙げられます。
これらの素材を屋外の日光や雨風が当たる場所で長期間置いておくと、使用していなくても
変色や変形、ひび割れなどの劣化が生じます。
4. フッ素樹脂の耐候性を利用してできること
フッ素樹脂は、以下のような優れた特性を持っています。
・紫外線や大気中の酸素、化学物質による影響を受けにくい
・吸水性が低く、雨水による劣化が小さい
・表面張力が低いため汚染物質が付着、堆積しにくい
・耐熱温度が高く、耐摩耗性に優れる
これらの特長から、
屋外建造物の屋根材やシール材、壁材の保護にも利用されます。
また耐食性にも優れているため、海沿いのエリアにおいて、塩や海風による腐食から建造物を守るためにも利用されています。
下記に弊社での事例をご紹介します。
～耐候性でモニュメントの腐食対策～
意匠性を重視したモニュメントについて、アルミ素材が使用されているため、雨風による表面の腐食を懸念されてのご相談をいただきました。
市販でも外壁用のクリア塗料は販売されていますが、紫外線により変色等の劣化が生じる可能性があります。
そこで、「セラシールドF」をご提案させていただきました。
「セラシールドF」はフッ素系材料なので「耐候性」にも優れており、また塗膜が透明なため基材の意匠性を損ねることなく加工可能です。
実際にモニュメント表面へ加工したところ、一般外壁用塗料よりも高寿命で紫外線による塗膜の劣化もなく、お客様に喜んでいただくことができました。
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弊社ではお客様のご要望、ご使用環境を丁寧にヒアリングし、
担当営業員が最適と思われるコーティングをご提案いたします。
またコーティングサンプルの提供や、コーティングの性能測定も可能です！
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