【商品開発部メルマガVOL.10】摩耗を防ぐ!PFASフリー低摩擦コーティングと摩擦試験方法のご紹介
こんにちは、㈱吉田SKT商品開発部の白頭 菜帆(はくとう なお)と申します。
今回は、コーティングの性能としても重要な摩擦・摩耗について、またそれを解決するコーティングについてご紹介します。
皆さんは機械の摩擦による摩耗でお困りではありませんか?
例えば、頻繁に開閉する引き出しやドアのレールは、金属同士の摩擦によって摩耗し、スムーズな開閉動作が妨げられることがあります。
また、自動車のブレーキパッドやタイヤも、摩擦によって摩耗し、交換が必要になります。
このような問題を解決するために、これまで様々なコーティング技術が開発されてきました。
今回は、コーティングの性能を評価するために欠かせない摩擦と摩耗について解説し、弊社が開発した摩擦・摩耗に強いPFASフリーコーティング「FFLC」についてもご紹介します。
※PFASフリーコーティングについて詳しく知りたい方はこちらから
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目次
- 摩擦・摩耗とは?
- 摩擦・摩耗に強いコーティングの必要性
- 摩擦・摩耗の試験方法について
- 摩擦・摩耗に強いコーティング「FFLC」
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1.摩擦・摩耗とは?
物体が他の物体と接触して動くとき、摩擦が生じます。
摩擦とは、物体が互いに接触し相対運動する際に、その運動を妨げる力のことです。
一方、摩耗とは、摩擦によって物体の表面が削れたり、欠けたり、変形したりする現象のことです。
摩擦や摩耗は、私たちの生活に身近な現象であり、様々な場面で発生しています。
例えば、歩くとき、靴と地面との間には摩擦力が働いています。
また、自動車のブレーキやエンジンの部品なども、摩擦によって摩耗します。
2.摩擦・摩耗に強いコーティングの必要性
摩擦や摩耗は、製品の寿命を縮めたり、性能を低下させたり、エネルギーロスを生じさせたりする原因となります。
そのため、摩擦や摩耗を抑制することは、製品の耐久性向上や省エネルギー化に繋がる重要な課題です。
摩擦や摩耗に強いコーティングは、様々な分野で活用されています。
例えば、自動車部品、機械部品、工具、金型、医療機器などです。
これらの製品にコーティングを施すことで、摩耗による損傷を防ぎ、製品の寿命を延ばすことができます。
また、摩擦を低減することで、エネルギー効率を高め、省エネルギー化に貢献することも可能です。
3.摩擦・摩耗の試験方法について
吉田SKTでは、コーティングの潤滑性能を調べる際、摩擦係数の測定と耐摩耗の試験を行います。

摩擦力は、F=μWで表されます。(F:摩擦力、μ:摩擦係数、W:垂直荷重)
摩擦力の大小の指標として、摩擦係数:μが使われています。
この式からも分かるように、垂直荷重Wが同じ時、摩擦係数μが大きくなると、摩擦力が大きくなります。
よって、滑り性を求める時は摩擦係数が小さいものを選択します。
摩擦係数の測定では、測定対象物にブロックや球等の形状の相手材を接触させ、一定荷重で動かしたときの摩擦係数を測定します。
吉田SKTでは相手材として、金属のブロックやセラミックスのボール、樹脂シートなどを使用して静摩擦係数や動摩擦係数の測定を行っています。
摩擦は物体と物体の間に働くので、接触する物体と接触される物体、例えばアイロンと布の材質や、
それぞれの表面状態(凹凸面、平滑面など)によって異なる結果が得られます。
摩擦・摩耗の試験は、コーティングの耐久性を評価するために重要な試験です。
JIS K 7204は、摩擦・摩耗試験方法を規定した規格です。
この規格では、試験方法や試験条件、評価方法などが定められています。
JIS K 7204では、試験片を一定の荷重と速度で摩擦させ、摩耗量を測定します。
摩耗量は、試験片の重量減少量、摩耗痕の幅、摩耗痕の深さなどによって評価されます。
4.摩擦・摩耗に強いコーティング「FFLC」
吉田SKTの摩擦・摩耗に強いコーティングのひとつにFFLCシリーズがあります。
FFLCは環境対応への意識の高まりを受けて開発された、フッ素樹脂を使用しないコーティングです。
フッ素樹脂コーティングと同等、またはそれ以上の潤滑性能を持つ、高性能なコーティングです。
FFLCシリーズは開発当初、潤滑成分にグラファイト系、グラファイト+シリコーン系を使用した
4種類のラインナップで展開していました。
このたび、新たにグラファイトを使用しない製品を開発し、ラインナップ追加しましたのでお知らせします。
FFLCの詳細はこちらのページをご覧ください。新品番も掲載済みです。
吉田SKTでは、お客様のニーズに合わせて、様々な用途に最適なコーティングを提供しています。
摩擦や摩耗でお困りの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
今後もメルマガにて、様々なコーティングに関する情報を発信してまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。


