表面処理のご相談

【メルマガVOL.18】グリップするのにくっつかない!不思議な凹凸、スーパーCTTシリーズのご紹介

こんにちは!㈱吉田SKTの小島と申します。

突然ですが皆様は、「コーティングの表面」と言われるとどのような状態をイメージされますか?
多くの方は車のガラスコーティングなどの、光沢感や艶のあるツルツルの表面を想像されるのではないでしょうか?

では、離形性や滑り性に優れるテフロン™フッ素樹脂コーティングやシリコーンコーティングの表面はいかがでしょうか?
これらもツルツルの表面をイメージされるのではないでしょうか?

今回のメルマガでは、そんな皆様のイメージをひっくり返す、
グリップするのにくっつかない!不思議な凹凸コーティング「スーパーCTTコーティング」についてご紹介します。
ぜひご一読ください。

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■INDEX■
 1. 凹凸形状と離形性の関係とは?
 2. ありそうでなかった!スーパーCTTコーティングの特徴
   ~相手材を傷つけない、丸い凹凸形状~
   ~グリップ性×高離形性~
   ~加工温度の低さ~
 3. スーパーCTTコーティングの採用事例
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1. 凹凸形状と離形性の関係とは?

ものがくっつく要因は数多くありますが、
今回はコーティング表面の形状と離形性との関係についてご説明します。
キーワードは、「接触面積」です。

例えば、皆様が普段使用しているしゃもじ。
昔のしゃもじはつるっとした表面だったことを覚えていらっしゃいますか?
私は小学校の給食でご飯を盛り付けるとき、ご飯粒がくっつかないように毎回しゃもじ表面に水をつけていました。

現在では、表面がデコボコしたしゃもじを多く見かけます。
発売当時は「ご飯がくっつかないしゃもじ」としてちょっとしたブームになっていた記憶があります。
これはしゃもじ表面に凹凸加工をすることで粘つくご飯粒としゃもじ表面との接触面積を減らし、くっつかないようにしています。

2. ありそうでなかった!スーパーCTTコーティングの特徴
~相手材を傷つけない、丸い凹凸形状~

凹凸形状によって接触面積を減らす仕組みをコーティングに応用したのが「スーパーCTTコーティング」です。
スーパーCTTコーティングは、コーティングによって丸い凹凸を形成します。
そのため基材の表面状態はそのままで、表面に丸い凹凸状態を作り出し
離形性に優れた弊社独自のコーティング技術です。

<スーパーCTTコーティングの表面イメージ>

スーパーCTTコーティングは、特に粘着物や半溶融物などに対する離形に有効で、
凹凸による立体構造が、粘着物との接触面積を小さくし、
くっつきにくく、そして剥がれやすくもなります。

一般的に、コーティング表面に凹凸を作る方法としては、他にも
・基材の粗面化
・金属溶射
などがあり、いずれも基材を加工することでコーティング表面を凹凸状にしています。
これらの処理は基材への負荷が大きいため再加工が困難で、また処理後の凹凸面は鋭利な状態なので相手材を傷つけてしまったり、粘着物が鋭利な凹凸に沈み込むことでアンカー効果を生み離形力を損なう可能性があります。

一方、スーパーCTTコーティングは基材表面に球型の粒子を配置し、
離型素材であるシリコーンで粒子の上から完全にコートします。
このため、コーティング表面は丸い凹凸形状となります。
この独特な構造が、相手材への傷つきや付着を防いでくれるのです。

~グリップ性×高離形性~

非粘着コーティング、と聞いて多くの方が思い浮かべるのはフライパンなどにコーティングされている、テフロン™フッ素樹脂コーティングではないでしょうか?

あるお客様で、粘着剤が塗布された製品を搬送する装置部品に、
離型用途でテフロン™フッ素樹脂コーティングを加工したところ、離形性は良いのですが、
テフロン™フッ素樹脂コーティングの優れた滑り性により、製品がすべってしまいうまく搬送できないことがありました。
このようなケースでは、離形性に加えてしっかり「止まる」性質(グリップ性)が求められるのです。
 
スーパーCTTコーティングでは、グリップ性のある表面に仕上がります。
また離形素材としてシリコーンを使用しているため、テフロン™フッ素樹脂コーティングを上回る粘着防止効果を発揮します。

~加工温度の低さ~

スーパーCTTコーティングの特徴は、その加工温度にもあります。
近年、様々な製品の軽量化ニーズに伴い、コーティングする基材にも変化が起きています。
一般的なテフロン™フッ素樹脂コーティングは、加工温度が400℃程度かかるため加工する基材も、400℃以上の耐熱性を求められ、多くは金属基材です。

一方でスーパーCTTコーティングは150℃以下での加工が可能で、
CFRP製のロールなどの耐熱性が低い基材にも加工することができます。
また100℃を超えるご使用環境でもコーティングとしての性能を維持します。

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3. スーパーCTTコーティングの採用事例

スーパーCTTコーティングは
・凹凸の表面形状
・テフロン™フッ素樹脂コーティングを上回る離形性
・グリップ性
・加工温度の低さ
を主な特徴としております。

どれかひとつでもピンときた方、お悩みの方は
ぜひご検討、ご相談ください。

最後にスーパーCTTコーティングのより具体的な採用事例を一つご紹介します。
下記リンクからご覧ください。
【事例】オムツの搬送時にロールに付着する接着剤の清掃性をアップ

今回もメルマガを読んでいただきありがとうございました。

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 弊社ではお客様のご要望、ご使用環境を丁寧にヒアリングし、
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