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【メルマガVOL.34】PTFE製品はどうやって成形するの?イラストでわかりやすくご紹介

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こんにちは!㈱吉田SKTの小島と申します。

 樹脂の成形方法は様々ありますが、フッ素樹脂はどのようにして成形されているのかを
ご存じでしょうか?
(ヒント:フッ素樹脂は熱をかけるとやわらかくなる、熱可塑性樹脂です)
ここで
「射出成形やブロー成形かな?」と思われた方、半分正解です。
かつての私もそうでした。

実はフッ素樹脂は、その種類によって成形方法が異なります。
例えば、同じフッ素樹脂でもあってもPTFEとPFAでは成形方法が異なります。
これはなぜなのでしょうか?

今回のメルマガでは、フッ素樹脂の代表格であるPTFEの成形方法について、
PFAとの違いも交えながらご紹介します。
ぜひご一読ください。

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■INDEX■
 1. 成形方法が異なるPTFEとPFA
 2. 成形におけるPTFEの種類
 3. PTFEの成形方法
   ~シート製品~
   ~チューブ製品~
   ~各種部品~
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1. 成形方法が異なるPTFEとPFA

ともに熱可塑性樹脂でありながら、成形方法が異なるPTFEとPFA。
両者の違いはどこにあるのでしょうか?

PTFEとPFAの違い

上の表からわかるように、樹脂成形におけるPTFEとPFAの大きな違いは「溶融粘度」にあります。
PTFEは溶融粘度が高いため、融点以上でも流動性がほとんどありません。
そのため一般的な溶融成形方法である、射出成形やブロー成形などでは製品が作れないのです。

一方で、PFAはPTFEよりも溶融粘度が低く流動性があり、一般の熱可塑性樹脂と同じ成形方法で成形ができます。

2. 成形におけるPTFEの種類

成形に使用するPTFEは、大きく分けて3種類あります。
それぞれが成形方法に応じて使い分けられています。

●モールディングパウター
懸濁重合と呼ばれる方法で生成されたPTFEの粉末をさらに微粉化したものです。
粗さは様々で、製品形状に応じて使い分けられます。
主に圧縮成形で用いられるパウダーです。

●PTFEディスパージョン
乳化重合と呼ばれる方法で製造された液状のもので、液体中にPTFEの微粒子が分散した状態です。
主に含侵コーティング法で用いられます。
このディスパージョン液にクロス等を含侵させ、乾燥焼成することでフッ素樹脂の機能を有したファブリック製品が出来上がります。

●ファインパウダー
乳化重合で生成されたPTFEディスパージョンを凝集、乾燥させて得られる微細なPTFE粒子です。
ファインパウダーの粒子はスポンジのような多孔質構造になっており、せん断力を加えることで簡単に繊維化し、変形しやすいという性質があります。
この特性を活かして、主にチューブやテープなどの成形で用いられます。

3. PTFE製品の成形方法

溶融成形が困難なPTFEの成形には、粉末治金やセラミックスの成形に似た以下の方法が用いられます。

・圧縮成形
・アイソスタティック成形
・ラム押出成形
・ペースト押出成形

各成形方法の詳細はコチラ

ここからはPTFE製品ごとに代表的な成形方法をご紹介します。

~シート製品~

PTFEシートの製造では、まず圧縮成形法で円柱状の大きなPTFEの塊(「ビレット」と呼ばれています)を製作します。
PTFEの圧縮成形法では、PTFEモールディングパウダーを金型に充填し、プレスで押し固めて予備成形します。
予備成形後の製品は一見すると固まってみえますが、少し力をかけるとすぐに壊れてしまう状態のため、炉に入れて焼成することでPTFEのパウダー同士が一体化し、緻密なブロックとなります。
これを冷却するとPTFEのビレットが完成します。

圧縮成形

その後、完成したビレットを回転させながら刃物をあててシートを連続的に削り出し、巻き取ります。(「スカイブ」と呼ばれる方法です)これを料理で例えると、「かつら剥き」のイメージです。

スカイブ
スカイブの参考図

ちなみにPFAシートの場合は、溶融押出成形で製造します。
加熱して柔らかくしたPFAを、ダイという金型に加圧して通すことで成形し、冷却してから切断する成形方法です。
金型を変更することでシート状やチューブ状の製品が成形されます。
製品形状は制限されますが、フィルム・シート・チューブなどの大量生産に適しています。

フッ素樹脂シートのカタログはコチラ

~チューブ製品~

PTFEチューブの代表的な成形方法として「ペースト押出成形法」をご紹介します。
PTFEファインパウダーに押出助剤を加えて円柱状に予備成形した製品を
高圧でチューブ形状に押し出して乾燥と焼成を行い、連続成形する方法です。

ペースト押出成形

PFAチューブの場合は、シートと同様に溶融押出成形法で製造します。

~各種部品~

先にご紹介した圧縮成形法では複雑な形状の成形が困難ですが、成形されたPTFEビレットは通常の工作機械で切削加工(2次加工)することができます。
ただし熱膨張や弾性のため、金属のように高い寸法精度で加工することはできません。

ビレットの状態から切削加工されたPTFE製品は、半導体分野や化学工業分野など純粋性や耐熱性、耐薬品性を必要とする分野で多く使用されています。

PTFE切削加工品

ちなみにPFAの場合は流動性に優れるため一般的な射出成形が可能です。
金型に加熱したPFAを充填し、圧力をかけて成形、金型を冷却した後で成形品を取り出します。
金型を作成すれば、複雑な形状の製品でも早く作れるため大量生産に適した成形方法です。

今回のメルマガでは、主にPTFEの成形法についてご紹介しました。
弊社ではご紹介したフッ素樹脂シートやパイプなど、成形品も取り扱っております。
お気軽にお問い合わせください。

今回もメルマガを読んでいただきありがとうございました。

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