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【メルマガVOL.42】アルミニウムの特徴と「あと一歩」を解決する表面処理

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青い背景のプレゼンテーションタイトルカード。アルミニウムの特徴と『あと一歩』を解決する表面処理について

こんにちは!㈱吉田SKTの小島と申します。

突然ですが、皆様は「アルミ」と聞いて何を思い浮かべますか?
平成一桁世代の私にとって、アルミといえば真っ先に「アルミ缶」です。
昔「アルミ缶の上にあるミカン」なんてダジャレを言ってふざけていたのを思い出します。
また、花火の銀白色の輝きを作り出す材料として、アルミニウムを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

そんな身近なアルミニウムですが、実はその歴史は意外にも浅く、金属として単離されたのは1825年、工業的な製造法が確立したのは1886年です。
紀元前から使われていた鉄や銅に比べると、かなりの「新参者」です。
発見が遅れた理由は、「単体になりにくい」性質のため。
アルミニウムは酸素と反応しやすく、自然界では主にボーキサイトなどの鉱石中に化合物として存在するため、天然の金属として産出されることはほとんどありません。

今回は、そんなアルミニウムの特徴と、その性能を引き出す表面処理についてご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。

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  ■INDEX■
 1.実は多才!?アルミニウムの特徴
 2.知っておきたい「アルミ合金」の種類
 3.アルミへの表面処理~アルマイトとめっき~
 4.さらなる機能性を求めて~フッ素樹脂コーティングとバイコート~
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1.実は多才!?アルミニウムの特徴

金属元素として、地球の地殻(一番外側にある固い層)に最も多く存在するアルミニウムには、設計者を惹きつける多くの特徴があります。

軽量
アルミニウムの比重は約2.7で、鉄の約1/3です。取り扱いやすく、輸送コストの低減や燃費向上に貢献します。
自動車や鉄道車両などの輸送分野では、軽量化による性能向上にもつながっております。

Logo featuring a shield with an open book on top, plus waves and raindrops above, symbolizing water protection or waterproofing.

耐食性
アルミニウムは空気に触れると表面に緻密で安定した酸化被膜をつくり、この被膜が腐食の進行を抑えます。
建築、自動車、船舶など幅広い分野で活用されています。

Illustration showing multiple blue air streams moving outward around a vertical barrier, indicating an air curtain effect for ventilation control

熱伝導
熱伝導率が高く、鉄のおよそ3~4倍です。
この熱しやすく冷めやすい特性を生かし、熱交換器や飲料缶、電子機器などの放熱部品など、熱を効率よくコントロールする必要がある場面でよく使われます。

Thermometer with snowflakes and a steel I‑beam, indicating cold/stress on metal.

低温に強い
極低温でも脆くなりにくく、合金によっては強度が向上します。
LNG(液化天然ガス)のタンク材や宇宙分野などでも活用されています。

Illustration of a blue toilet bowl with a gray bucket pouring liquid into it, causing an overflow

鋳造しやすい
鉄や銅に比べて融点が低く、鋳造用合金は流動性にも優れるため、薄肉や複雑な形状の鋳物を容易に生産することができます。
ピストン、ホイールなどの自動車部品や産業機械部品など幅広い分野で使用されています。

Four interlocking puzzle pieces surround a flexed arm, symbolizing teamwork and strength.

合金化で強くなる
純アルミニウムに他の金属を添加して合金化したり、圧延や熱処理などの加工をすることで必要な強度や性能を引き出せます。

Blue line art showing two rolls of material (one unrolled) beside a drill bit above a notched block, symbolizing material fabrication or manufacturing processes.

加工性に優れる
展延性が高く、圧延や押出しなどの塑性加工がしやすいのが特長です。切削加工でも精度を出しやすく、精密部品にも対応しやすい材料です。

Blue recycling symbol formed by curved arrows enclosing a fork and spoon, with a magnet icon indicating eco-friendly recycling.

安全性・環境性・機能性
アルミニウムは無臭で衛生的なため、食品や医薬品の包装材などにも広く用いられています。
さらに、再生しても品質が大きく劣化しにくく、リサイクル性に優れています。
また非磁性体で磁気を帯びず、電磁波や光・熱を反射する特性も持ち、電子機器や医療分野など幅広い用途で活躍しています。

2.知っておきたい「アルミ合金」の種類

純度99.0%以上の「純アルミ(1000系)」は耐食性や加工性に優れますが柔らかすぎるため、現場では他の金属を混ぜた「アルミ合金」が主流です。
JIS規格では、A5052のように「A+4桁」で表記されるのが一般的で、用途に応じて選び分けられます。
ここでは代表的なアルミ合金をご紹介します。

●A1000系(純アルミニウム)
純度が99.0%以上のものを指します。
加工性、耐食性、熱伝導性に優れますが、強度は高くありません。
1円硬貨や反射板などに使用されています。
●A2000系(Al-Cu系)
銅を主な添加元素とし、高強度が特長です。
A2017は航空機などに使われる「ジュラルミン」として知られており、強度に優れます。
●A5000系(Al-Mg系)
マグネシウムを主な添加元素とし、耐食性・成形性・溶接性のバランスが良く、A5052は代表的な汎用材として広く使われます。
●A6000系(Al-Mg-Si系)
マグネシウムとケイ素が主な添加元素です。熱処理で強度を高めやすく、押出材との相性がよいため、建材や構造材でよく使われます。A6061、A6063は代表材です。
●A7000系(Al-Zn-Mg系)
亜鉛を主な添加元素とし、高強度が特長です。A7075はAl-Zn-Mg-Cu系の「超々ジュラルミン」として知られています。
アルミ合金の中でも高強度で、航空機や輸送機器、スポーツ用品などに用いられます。

他にもAC2BやAC4Cなどの鋳造用合金もあり、用途に応じた材料選定が行われています。

アルミニウム合金についての詳細はコチラ

3.アルミへの表面処理~アルマイトとめっき~

多くの長所を持つアルミニウムですが、鋼材に比べると表面硬度が低く、傷がつきやすい傾向があります。
そこで代表的な表面処理として用いられるのが「アルマイト」と「めっき」です。
両者の大きな違いは、被膜のつくり方にあります。
アルマイトは陽極酸化によってアルミニウム表面に酸化被膜を人工的に形成する処理で、被膜は基材内部と表面側の両方向に成長します。
条件にもよりますが、膜厚の約半分が寸法増加の目安です。
一方、めっきはアルミニウム表面に別の金属被膜を形成する処理なので、めっき厚みがそのまま寸法増加として現れます。
例えば同じ10μmで処理した場合、アルマイトなら約5μmの増肉、めっきなら10μmの増肉になるということです。

アルマイト被膜とメッキ被膜の違い

~アルマイト(陽極酸化処理)~

「アルマイト」は、日本で実用化・普及した陽極酸化技術として知られています。
アルミニウム表面にもともと存在する酸化被膜を、電解処理によって人工的に厚くすることで、耐食性や絶縁性を高めます。

通常のアルマイトよりも低温で処理して、さらに硬く厚い被膜を生成できるのが「硬質アルマイト」です。
自動車・航空機の部品など、耐摩耗性や強度が求められるシーンで活用されます。

肉眼では見えませんが、アルマイト被膜はハチの巣のようなハニカム構造となっています。
被膜表面には無数の穴があいており、処理の最後にそれらの穴を閉じる「封孔処理」を行うことで耐食性をさらに高められますし、穴に染料を吸着させれば「カラーアルマイト」にすることもできます。
カラーアルマイトは金属感を残しながら、様々な色合いを実現することができるので照明機器やアウトドア製品など、私たちの身近な製品に使われています。

ただし一般的なアルマイトは熱に弱く、100℃を超える環境で表面にクラックが生じる場合があります。
また被膜自体は硬い反面、柔軟性に乏しいため、処理後に強い曲げ加工などを行うと割れや剥離につながることがあります。

アルマイトの詳細はコチラ

~めっき~

めっきとは、基材表面にニッケルやクロムなどの金属膜を形成する処理です。
アルマイトのように基材を酸化させて被膜を育てるのではなく、別の金属をアルミ基材表面にくっつけて膜を作るため、アルミニウム本来の軽さに「別の金属の機能」を直接付与できるのが大きな特徴です。

例えば、導電性の向上や安定化が期待できます。
アルミニウムはもともと電気を通しやすい素材ですが、めっきを施すことで表面の接触抵抗を抑え、より効率的に電気を流すことが可能になります。
これにより、軽量化が求められる電気自動車の部品や電力インフラにおいて、「軽くて導電性が高い」という特長を両立しやすくなります。

また、はんだ付け性の改善にも有効です。
アルミニウムの表面には常に強固な酸化被膜が存在するため、そのままでは「はんだ」がぬれにくい場合があります。
適切なめっき処理を施すことで、はんだの濡れ性が向上し、基板への実装や配線加工といった工程の効率と品質を同時に高めることができます。

一方で、アルミニウムへのめっきには特有の難しさもあります。
アルミニウムは非常に反応性が高く、一度酸化被膜を取り除いてもすぐに再生しようとする性質があるため、めっきの密着性を確保するには特殊な前処理が重要になります。

めっきの詳細はコチラ

4.さらなる機能性を求めて~フッ素樹脂コーティングとバイコート~

アルマイトやめっきは非常に優れた表面処理ですが、生産現場のより複雑な課題を解決するためには、別のアプローチが有効な場面もあります。
そこで選択肢に挙がるのが、フッ素樹脂コーティングや、弊社独自の表面処理である「バイコート®」です。

フッ素樹脂コーティングは、非粘着性、滑り性、耐薬品性といったフッ素樹脂の機能をダイレクトに付与できます。
例えば、食品工場の加熱調理工程で使用されるアルミ製の「搬送トレイ」。
アルミの熱伝導の良さは活かしたいけれど、食材がこびりついてしまう…。
そんな時は、フッ素樹脂コーティングで「非粘着性」を付与することで、熱効率を保ちながら汚れの付着を防ぎ、洗浄の手間を大幅に減らすことができます。

Pink lotus bloom with large green leaf and TEPLON product branding in Japanese on a dark background.

フッ素樹脂コーティングのカタログはコチラ

一方で、アルミのような柔らかい基材に「強靭さ」と「滑り性」「非粘着性」を同時に持たせたい…
そんなニーズに応えるのが「バイコート®」です。
フッ素樹脂コーティング単体では耐摩耗性に課題が残るケースや、アルマイトでは摺動による摩耗粉(黒ずみ)が発生してしまうような用途においても、バイコート®は有効な解決策となります。

バイコート®は有機と無機を複合化した弊社独自の表面処理で、アルミの場合は軽さを維持しながら離型性・滑り性・耐摩耗性を付与したい用途でご提案しています。
加工寸法精度にも優れるため、ミクロン単位の精度が求められる精密部品にも検討可能です。

バイコート®の具体的な事例として、アルミ製の搬送ガイドやシューターが挙げられます。
紙や不織布などが高速で通過する現場では、アルミ自身の摩耗によって「黒ずみ(アルミ粉)」が発生し、ワークを汚してしまうことがあります。
バイコート®を施すことで、こうした摩耗を抑えて汚れを防ぎつつ、抜群の滑り性によってスムーズな搬送を支えます。

バイコートのカタログはコチラ

アルマイトやめっきといった従来の選択肢で「あと一歩」届かなかった用途に対して、フッ素樹脂コーティングやバイコート®もご検討いただければと思います。
ぜひお気軽にご相談ください。

今回もメルマガを読んでいただきありがとうございました。

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