表面処理のご相談

テフロン™フッ素樹脂コーティングの膜厚測定方法とは?膜厚計の原理まで詳しく解説

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こんにちは。「吉田SKT」ブログ編集チームです。

吉田SKTではテフロン™フッ素樹脂コーティングや表面処理でお客様の生産設備のお悩みを改善しています。

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テフロン™フッ素樹脂コーティングは、コーティング対象となる基材の受入れ後、脱脂、下地処理、塗装、焼成などを行って完成し、最後に検査工程を経て皆様のお手元に届けられます。その検査工程のひとつに、「膜厚検査」があります。

膜厚とはコーティングの厚みのことで、テフロン™ フッ素樹脂コーティングでは、用途によって適した膜厚が異なります。例えば耐薬品用途でのコーティングの場合、ピンホールのない厚膜仕様が必要になります。
この記事では、テフロン™フッ素樹脂コーティングの「膜厚検査」について詳しくご紹介します。

ぜひご一読ください。

塗装膜の膜厚測定とは

フッ素樹脂コーティングのような塗装膜の場合、コーティングの厚みは塗膜の機能や寿命にとって重要な意味をもちます。膜厚測定検査とは、塗膜の厚みを測定する検査です。

一般的に厚みの検査はノギスやものさし、マイクロメーターなどを用いて行います。
しかし、この方法の場合、基材に加工された塗装膜を測定するために塗膜を基材からはがす必要があります。塗膜を基材からはがすことで、測定した製品は使用できなくなってしまいます。そのため、通常は塗装された状態で膜厚を測定する方法を選択します。

ここからは、吉田SKTでどのように膜厚測定を行っているかご紹介します。

吉田SKTで行う膜厚測定検査とは

フッ素樹脂コーティングをご相談いただいた際に、打合せにて膜厚の取り決めをした場合、吉田SKTでは加工後の検査工程で「打合せ及び注文書通りの厚みであるか」を確認するため膜厚を測定します。コーティングの膜厚の場合、その多くの単位は「μm(マイクロメートル)」=1000分の1mmを用います。

膜厚は仕様や用途によって異なります。フッ素樹脂コーティングでは、通常用途の場合20~50μm程度、耐食用途の場合300μm以上とすることが多いです。

検査方法

吉田SKTで行う膜厚測定検査では、主に膜厚計を使用して確認します。この方法は塗膜に傷をつけることのない、非破壊タイプの検査です。膜厚計では一般的に「プローブ」 と呼ばれる探針を金属基材上に処理された塗膜表面に垂直に押し当てることで塗膜の厚みを測定します。

そのため、プローブを測定面に対して垂直に押し当てることができる平面が必要になります。
下図のような形状や基材には通常の膜厚計が使用できません。

プローブを測定面に対して垂直に押し当てることができないような形状物
 (例)針金のような細い形状、 プローブが入らないような溝内部など
金属以外の基材
 (例)ガラス、樹脂など

塗装可否

膜厚計が使用できない場合は、必要に応じて「測定可能なテストピース(ダミー板)を使用して測定する方法」「加工前後の寸法を測定し算出する方法」「切断し、断面を拡大して確認する方法」などを用います。

膜厚計の原理について

吉田SKTで使用している膜厚計には、測定方式によって2つのタイプがあり、基材の材質に応じて使い分けられています。
しかし、いずれも金属基材のみに対応しているため、樹脂やガラス基材には別の方法を用いる必要があります。

電磁式膜厚計の場合

磁性体(鉄、フェライト系ステンレスなど磁石がくっつく金属)の基材で、非磁性被膜の測定に用います。
磁石の入ったプローブの先端に磁性体を近づけると、磁石が磁性体を引き付けることに対する反作用(=電磁誘導) が起き、二者間の距離(=塗膜の厚み)の僅かな変化に対応してコイルを流れる電流量が変化します。プローブ先端の磁石が磁性体を引き付ける力は、基材までの距離(=塗膜の厚み)に比例するため、この性質を利用して塗膜の厚みを測ります。

電磁式膜厚計

渦電流式膜厚計の場合

導電性非磁性金属(アルミやステンレスなどの非磁性(磁石がくっつかない)金属)の基材で、絶縁性被膜の測定に用います。 高周波電界によって非磁性金属表面に誘起される渦電流の大きさは、磁界・金属表面の距離(=塗膜厚み)によって変化します。この電気的相関性を利用して塗膜の厚みを測ります。

渦電流式膜厚計

膜厚計は定期的に校正を行った機器を使用し、測定基準や規格については、JISに準じた独自の社内規定に基づいて行い、測定位置や測定は、基材の形状、大きさ、用途により打合せや協議のうえ決定しています。  

膜厚測定検査以外の検査方法

吉田SKTでは、膜厚測定検査以外にもコーティングの仕様に応じて「ピンホール検査」「漏洩抵抗値の測定(帯電防止仕様)」などの各種検査、測定も対応可能です。

検査工程で必ず行う「外観検査」の解説はこちらをご覧ください。

>外観検査とは?テフロン™フッ素樹脂コーティングの外観検査について解説

テフロン™フッ素樹脂コーティングについて詳しくお知りになりたいかたは、ぜひこちらもご覧ください。

また、さまざまなコーティングの測定サービスもご提供しております。コーティングと樹脂のはがれ具合や粘着テープとのはがし具合などの測定方法につきましてはこちらをご覧ください。

吉田SKTでは、テフロン™フッ素樹脂コーティングだけでなく、さまざまな機能性コーティングで、ものづくりにおけるコストダウン、競争力の強化、現場に歓迎される環境づくりなど、テストピースもご提供しながらサポートします。ぜひご相談ください。