表面処理のご相談

【新開発】表面処理CHC(セラミックハードコート)のご紹介

吉田SKTは、高温環境での膜硬度の維持を可能にした新技術「CHC(セラミックハードコート)」を開発しました。
この記事ではCHC技術の特長を詳しくご紹介します。

CHC(セラミックハードコート)とは

セラミックハードコートとは

CHC(セラミックハードコート)とは、セラミックスを使用した独自のコーティング技術です。セラミックスとフッ素樹脂の複合化により、高温環境下でも塗膜の硬度低下が少なく、フッ素樹脂の特長である「非粘着性・離型性」を最大限に生かすことができるコーティング技術です。

CHC技術の特長・効果

CHC技術により、従来のフッ素樹脂コーティング(PTFEコーティング)や高温離型性を高めたFSR(フロロスーパーリリース)の高温耐久性を向上させることに成功。高温環境での膜硬度維持を可能にしました。

フッ素樹脂は最高使用温度260℃と耐熱性に大変優れた樹脂ですが、加熱することで溶融する熱可塑性樹脂のため、融点に近づくほど塗膜の硬度が低下します。溶融粘度が高く硬度が低下しにくいPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)であっても、温度上昇と共に一定の塗膜硬度の低下があります。

CHC技術は、フッ素樹脂の弱点でもある高温環境での塗膜強度低下を防止し、耐久性を高め、200℃以上の環境で優れた離型性を持続できる技術です。

膜硬度実証テスト

◆テスト方法

ホットプレート上にサンプルをのせ、塗膜表面温度が200℃の状態で塗膜表面を幅約7mmの金属ヘラで10回赤枠内を擦りつけ、状態を観察。

膜硬度テスト方法

実証結果

『PTFEコーティング』と『CHC-1111CR』の加熱・ヘラ擦りつけ後の状態を比較

PTFEコーティング 左:テスト前、右:テスト後(擦った箇所に塗膜のはがれが見られる)
CHC-1111CR 左:テスト前、右:テスト後(擦った跡が見えるが塗膜の剥がれは見られない)

CHC技術とPTFEコーティングの物性比較表

種類PTFEコーティングCHC-1111CR
仕様品番OCP-033CHC-1111CR
膜厚(μm)20-5030-70
接触角(°)H₂O105-115105-115
撥接角(°)nHD45-5545-55
溶融PPシート離型テスト(180℃)
(N/cm)※1
0.29 一部樹脂残りあり0.08 樹脂残り無し
傷つきテスト(200℃)塗膜はがれあり塗膜はがれ無し

※数値は実測値であり、保証値ではありません。
※実際の設計・仕様選定にあたっては、必ず当社までお問い合わせください。
(※1)溶融PPシート離型テスト方法 
コーティング面をヒーターで180℃まで加熱し、PPシートを付着させた状態で引きあげる時の力を測定。

溶融樹脂シート離型テスト

FSR(フロロスーパーリリース)へのCHC技術の採用

FSR(フロロスーパーリリース)とは

離型性と「熱時硬度」を兼ね備えた、フッ素系離型用コーティングです。
フッ素樹脂のなかで、PFAやFEPは溶融樹脂の離型に優れた効果を発揮しますが、使用温度が高くなると塗膜が柔らかくなり、使用できないことがあります。また、PTFEは熱が加わった際の硬度低下は低いものの、PFAやFEPに比べて離型しにくい場合があります。
フロロスーパーリリースは、PFAやFEPなみの離型性に加え、200℃以上での使用に耐える優れた熱時硬度を実現しました

膜硬度実証テスト

テスト方法は、先ほどのCHCとPTFEコーティングの比較と同じ。

実証結果

『HR-110R』と『HR-3110R(CHC技術採用)』の加熱・ヘラ擦りつけ後の状態を比較

HR-110R 左:テスト前、右:テスト後(擦った箇所に若干塗膜のはがれが見られる)
HR-3110R(CHC技術採用) 左:テスト前、右:テスト後(擦った箇所に跡があるが塗膜のはがれは見られない)

CHC技術によって、高温離型に優れるFSRの高温耐久性をさらに向上することに成功しました。

FSRの物性比較表

種類FSR(フロロスーパーリリース)FSR(フロロスーパーリリース)
CHC技術採用
品番HR-110RHR-3110R
膜厚(μm)30-6030-70
接触角(°)H₂O105-115105-115
撥接角(°)nHD45-5545-55
溶融PPシート離型テスト(180℃) (N/cm)0.15 樹脂残り無し0.06 樹脂残り無し
傷つきテスト(200℃)塗膜はがれあり塗膜はがれ無し

CHC技術の採用事例

最後に、CHC技術をご採用いただいたお客様の課題解決事例をご紹介します。