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シリコーンとは?シリコンとの違いや用途・安全性を解説

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こんにちは!私たちは「吉田SKT」ブログ編集チームです。
シリコーンは、ケイ素原子から構成される特有のケイ素化合物であり、様々な形態で利用されています。記事では、シリコーンがどのようにしてゴムやオイルとして使用されるのか、シリコンとシリコーンの違いやシリコーンの安全性についてもご解説します。

シリコーンとは

シリコーンは、ケイ素(化学記号Si)を含有する有機ケイ素化合物です。シリコーンには、シリコーン樹脂やシリコーンゴムなどの固体形状、シリコーンオイルやシリコーングリス、シリコーンコーキングなどの液体形状があります。

利用分野は実に多く、身近な例としては調理器具への利用が挙げられます。そのほか、ワニスや耐熱塗料など、建築系の現場でもシリコーンは活躍しています。

シリコーンとシリコンの違いは元素か化合物か

シリコーンとシリコンは混同されやすいですが、「シリコンは元素、シリコーンは化合物」と考えましょう。また、シリコンはケイ素原子Siのみで構成される金属ケイ素を指す場合もあります。

シリコーンは、ケイ素と酸素が交互に並ぶシロキサン結合を主鎖とした無機高分子です。樹脂やオイルなどの形態がとれる点が特徴です。

金型による押出成形やプレス成形、発泡成形に対応可能で、近年では3Dプリンターにも活用されています。

関連記事:シリコーンとは?離型性に優れる「シリコーン」と「シリコン」の違いも解説

シリコーンの特性

シリコーンは、耐熱性や絶縁性素材として広く使われています。低毒性や耐薬品性、安全性にも優れています。合成樹脂の中で、近年特に注目を集めている素材です。

また、シリコーンにはものが付着しづらい性質があります。この性質から、シリコーンは別の素材のコーティングにも用いられ、摩擦の軽減、耐摩耗性の向上に役立ちます。剥離性や非粘着性といった性質を別の基材へ付与する目的にも用いられるようです。

シリコーンの種類と用途

シリコーンはシリコーンゴム、シリコーンオイル、離型剤など、多くの用途に用いられ、その使途に合わせた種類が使用されます。

シリコーンの種類と、その用途について解説します。

シリコーンゴム

シリコーンゴムは、高い耐熱性と耐寒性、耐候性をもつ素材です。調理器具や日用品のパッキング部分、自動車部品に使用されます。

特に高温状態での安定性が高く、自動車ではエンジン回りの部品に使用される素材です。高温、あるいは低温の過酷な環境下でも、耐クリープ性や屈曲性の点で優れた性能を示します。他のゴム樹脂にはない性能です。

また高度に不活性であり、ほとんどの化学物質と反応しないため、人体への危険性も少ないといえます。

関連記事:シリコーンゴムとは?種類や用途、加工事例を紹介

シリコーンオイル

シリコーンオイルは、シリコーンを液状にしたものです。化粧品や日用品の成分であり、医療でも用いられます。産業分野では、潤滑剤のほか、作動流体としてダッシュポット、変圧器、拡散ポンプで活用されます。

用途が幅広く、体内で化学変化を起こさないため、消泡剤として飲食物にも使用されます。

シリコーン離型剤

シリコーンは、シロキサン結合の強い結合力によって耐熱性と化学的安定性に優れています。また、表面を覆うメチル基による低い表面張力が、優れた撥水性と離型性を提供します。これらの特性により、シリコーンは離型剤として広く使用されています。

低い表面張力は、接触する材料のはりつきを防ぎ、特にゴムや樹脂の金型成形やCFRP素材の成形工程における、はりつきを防止します。

関連記事:シリコーンとは?離型性に優れる「シリコーン」と「シリコン」の違いも解説

シリコーンの安全性

以前、シリコーンゴムには、「加熱時に有毒ガスが出る」「発ガン性がある」などの噂がありました。

しかし、シリコーンは耐熱性や高温時の安定性に優れてるものであり、そうした危険性は否定されています。医療用への活用が進んでいて、乳幼児用の製品も作られています。多くの国内の基準をクリアしているため、シリコーンゴムの安全性は他のゴム樹脂より高いといえるでしょう。

参考記事:シリコーンゴムについて – 一般財団法人 東京顕微鏡院 (kenko-kenbi.or.jp)

まとめ

シリコーンはケイ素を含む高分子化合物であり、その多様な特性がさまざまな用途で利用されています。特にシリコーンゴムやシリコーンオイルとしての応用は、その耐熱性、耐薬品性、耐候性を活かし、自動車部品から調理器具、さらには医療分野まで幅広い産業で重要な役割を果たしています。この耐久性により、シリコーンは特に高温下でも安定した性能を維持するため、電子製品や航空宇宙技術にも欠かせない素材です。このように、シリコーンはその独特の化学構造を活かして、日常生活から先端技術に至るまで、多岐にわたる応用が展開されています。

中でも、高引き裂きシリコンと呼ばれる「STシリコン」は、引裂きに強く高い耐久性が期待でき、振動機や粉体を扱う産業分野で広く活用されています。

また、従来のシリコーン離型剤やコーティングにはない耐溶剤性、膜硬度、耐熱性、そして低温加工を実現したコーティングは、多くの生産現場の生産効率を改善するために利用されています。

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