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PFAS、PFOS、PFOA、PTFEは何が違うの?フッ素樹脂との違いまで解説

近年報道などでも取り上げられるPFOS、PFOA、PFASと呼ばれる物質は私たちの生活に密接に関わってきました。しかし、その便利さの裏にはさまざまな懸念も生まれています。本記事では、これらの物質について詳しく解説し、その特性や規制状況を分かりやすく説明します。化学の知識がなくても理解できる基礎知識をお届けします。

PFAS・PFOS・PFOAの違い

PFOS、PFOA、PFASは全てフッ素化合物を指します。また、フッ素化合物としてよく知られているもの一つにフッ素樹脂PTFEがあります。アルファベットの「P」ではじまる化学物質は、なじみのない方には全て同じようなものと感じてしまう場合もあるようです。

それでは、ひとつひとつの物質について解説します。

PFASとは

PFASは、日本語で「ペルフルオロアルキル物質及びポリフルオロアルキル化合物」といいます。
定義範囲としては「少なくとも1つの完全にフッ素化された炭素原子を含む有機フッ素化合物」で、上記で解説したPFOS、PFOAや、フッ素樹脂としてよく知られるPTFEなども含み、その数はなんと10,000種超えです。

言葉にすると難しいですが、「PFASとされる有機フッ素化合物の数は非常に多く、その例として、低分子のものだとPFOSやPFOA、高分子のものだとPTFEやPFAなどが挙げられる」ということです。

PFASの図式

参考資料:「PFOS、PFOAに係る国際動向」環境省HP
参考記事:PFAS規制について

PFOSとは

物質名を「ペルフルオロオクタンスルホン酸 (Per Fluoro Octane Sulfonic acid)と言います。
1940年代に米国で開発され、優れた撥水/撥油性、耐熱性や耐薬品性をもつため、撥水剤や泡消火薬剤などに使用されてきました。
しかし発がん性などの健康リスクが指摘され、現在は国際的に規制されています。
また日本国内では化審法にもとづき2010年に既に製造、輸入等を原則禁止しています。

PFOSの構造

PFOAとは

物質名を「ペルフルオロオクタン酸(Per Fluoro Octanoic Acid)と言います。
前述のPFOSと同様の性質をもっているため以前はフッ素樹脂塗料や、包装紙への撥水加工などに使用されていましたが2000年代~PFOSとともに発がん性が疑われ始め、2015年~現在、主要メーカーは自主的にPFOAの使用を廃止しています。
また日本国内では化審法にもとづき2021年に既に製造、輸入等を原則禁止しています。

PFOAの構造

PTFEとは

PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)は、フッ素樹脂のひとつで、「テフロン™」の商品名でも有名です。PTFEは独特な分子構造によってはさまざまな特性をもたらし、非粘着性、低摩擦性、耐薬品性、耐候性、電気特性、耐熱性といった複数の特性を兼ね備えます。PTFEはその優れた耐熱性や電気特性などからスーパーエンジニアリングプラスチックに分類されます。

PTFEの分子構造

PTFEの分子構造

参考記事:PTFEとは?~テフロン™樹脂との違いも解説~

PFASとフッ素樹脂について

フッ素樹脂PTFEは、その構造上の定義からPFASとされていますが、他の低分子量PFASのような毒物学上および環境上の懸念を有していません。フッ素樹脂は、その独自の特性のゆえに、人の健康や環境に対して、重大なリスクをもたらさないことを相当数の科学的データで確認できます。

まとめ

PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)、PFOA(ペルフルオロオクタン酸)、そしてPFAS(ペルフルオロアルキル物質及びポリフルオロアルキル化合物)は、私たちの日常生活に多大な利便性をもたらしてまいりました。しかしながら、近年の研究により、人体の健康や環境に及ぼす潜在的な悪影響が明らかになってきております。

一方で、PTFEなどの一部のフッ素樹脂については、その独自の特性と比較的高い安全性が認められており、現在も多くの分野で使用されております。

このような状況を踏まえ、私たちには、これらの物質について正確な知識を身につけ、適切に対応していくことが求められております。

今後も、これらの物質に関する研究や規制の動向に注意を払い、安全性と利便性のバランスを取りながら、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいくことが、私たち一人一人の責務であると言えるでしょう。