表面処理のご相談

鉄と鋼の違い|炭素量・性質・種類・用途と選び方を解説

公開日/  更新日/
『鉄と鋼の違い』を示す対比図。左に鉄の塊、右に歯車状の鋼部品、中央に仕切り線。注目点の比較を示す画像。
タグ:

こんにちは。「吉田SKT」ブログ編集チームです。
図面や仕様書でSS400、S45C、SUSなどの材質記号を目にしても、それぞれの違いや選び方を整理して説明するのは難しいものです。

「鉄」と「鋼(はがね)」は、どちらも鉄(Fe)を主成分とする材料です。しかし、材料としての位置づけや成分、得られる性質には違いがあります。また、日常会話で「鉄製品」と呼ばれるものの多くは、材料学上の純鉄ではなく、鋼や鋳鉄でできています。

材料を選ぶときは、炭素量だけでなく、規格、金属組織、熱処理、加工方法、使用環境まで確認することが大切です。

この記事では、鉄・鋼・鋳鉄の基本から、炭素量と合金元素、強度・硬さ・靭性、加工性・溶接性・耐食性の違いまで解説します。SS400、SM材、S45C、ステンレス鋼などの代表的な鋼材と、用途に合う材料を選ぶときのポイントも紹介します。

鉄と鋼の違いを比較

鉄と鋼の違いを明確にするため、ここでは「鉄」を「純鉄」として比較します。

比較項目 鉄(純鉄)
材料の位置づけ 鉄の純度が高く、炭素を含む不純物が非常に少ない材料です。 鉄を主成分とし、炭素や合金元素を含む材料です。
炭素量 炭素量だけでは定義されません。Fe純度やほかの不純物も確認します。 一般に約2%未満です。炭素量を0.02%未満まで減らした極低炭素鋼やIF鋼もあります。
主な性質 比較的やわらかく、延性があります。一般的な構造材にはあまり使われません。 鋼種や熱処理によって、強度・硬さ・靭性を用途に合わせて調整できます。
熱処理 一般的な鋼のように、焼入れで大きく硬化させる材料ではありません。 鋼種によっては、焼入れ・焼戻しなどで硬さと靭性のバランスを調整できます。
さびやすさ 防錆をせず、水分と酸素にさらされると腐食します。 普通鋼は防錆が必要です。ステンレス鋼は成分設計によって耐食性を高めています。
主な用途 電磁石の鉄心や継電器部品など、磁気特性を生かす用途で使われます。 建築・土木、自動車、機械部品、工具、設備など、幅広い用途で使われます。

※表は代表的な傾向です。「炭素量0.02%」は純鉄と鋼を分ける絶対的な境界ではありません。実際の分類や性質は、規格、Fe純度、化学成分、金属組織、熱処理、加工履歴によって変わります。また、日常語の「鉄」は、鋼や鋳鉄を含む広い呼び方として使われることがあります。

鉄・鋼・鋳鉄の基本

鉄(純鉄)とは

純鉄は、炭素を含む不純物元素が非常に少なく、Fe純度の高い鉄です。電磁純鉄では、炭素だけでなく、Si、Mn、P、Sなどの成分も規格や製品仕様に基づいて管理されます。

一般的な構造用鋼に比べてやわらかく、梁や軸など、強度が必要な部材にはあまり使われません。一方で、軟磁気特性が求められる電磁石の鉄心や継電器部品などに利用されています。

純鉄は炭素量だけで定義されるものではありません。炭素量が0.02%未満の極低炭素鋼やIF鋼もあるため、「0.02%未満なら純鉄」とは限りません。材料を確認するときは、規格、Fe純度、炭素以外の元素、用途などを確認します。

鋼(はがね)とは

鋼は、鉄を主成分とし、一般に炭素量が約2%未満の材料です。入門的な説明では「鋼の炭素量は0.02%以上」とされることがありますが、これは純鉄・鋼・鋳鉄の違いを理解するための目安です。実際には、炭素量が0.02%未満の鋼も製造されています。

炭素は鋼の金属組織に大きく影響し、熱処理と組み合わせることで、強度や硬さを高める主要因になります。合金元素は、焼入れ性、強度、靭性、耐食性、耐熱性などの調整に使われます。

鋼は、成分、金属組織、加工、熱処理の組み合わせによって、用途に合う性能を得やすい材料です。ただし、得られる性質や適用できる熱処理は鋼種ごとに異なります。

炭素量0.02%未満の鋼もある

炭素量が非常に少ない鋼の代表例に、極低炭素鋼やIF鋼があります。IF鋼(Interstitial Free鋼)は、炭素量を数十ppm以下まで減らし、鋼中に残る炭素や窒素をTi(チタン)やNb(ニオブ)などで固定した鋼です。深絞りなどの成形加工に適しており、自動車の外板をはじめとする薄板部品に使われています。

材料の例 炭素量の見方 主な特徴
純鉄・電磁純鉄 炭素量だけでは分類できません。炭素以外の不純物とFe純度も確認します。 比較的やわらかく、磁気特性を生かす部品などに使われます。
極低炭素鋼・IF鋼 0.02%未満の鋼もあります。IF鋼では数十ppm以下まで減らす場合があります。 加工性を重視した薄板や、深絞り部品などに使われます。
S45C 炭素量は0.42%以上、0.48%以下です。 熱処理によって強度や硬さを高め、シャフトやピンなどに使われます。
鋳鉄 一般に炭素を約2%以上含みます。 溶けた材料の流動性を得やすく、複雑な形状の鋳造品に使われます。

※ppmは100万分の1を表す単位です。たとえば、炭素量50ppmは0.005%、10ppmは0.001%です。炭素量が少ないという一点だけで純鉄と判断せず、材料規格や成分表を確認することが大切です。

鋳鉄とは

鋳鉄は、鋼より炭素量が多く、一般に炭素を約2%以上含む鉄系の鋳造材料です。比較的低い温度で溶けやすく、流動性を得やすいため、複雑な形状を型に流し込む鋳造に適しています。

実用鋳鉄では、炭素量に加えてSiなどの成分、黒鉛の形状、基地組織が性質に大きく影響します。代表的なねずみ鋳鉄と球状黒鉛鋳鉄の違いは、次のとおりです。

種類 主な特徴 選ばれることが多い場面
ねずみ鋳鉄 黒鉛が片状に分布しています。振動を抑えやすい一方、引張や衝撃に対する伸びは小さい傾向があります。 振動を抑えたい機械部品や、複雑な形状の鋳物などに使われます。
球状黒鉛鋳鉄 黒鉛を球状化することで、ねずみ鋳鉄より強度と延性を高めています。 衝撃や繰り返し荷重を受ける鋳造部品でも候補になります。

※鋳鉄は種類によって性質が異なります。必要な強度や靭性だけでなく、部品形状、製造方法、振動、衝撃、繰り返し荷重の有無も確認して選びます。

鉄と鋼で性質が変わる4つのポイント

鋼の性能は、炭素量や合金元素だけでなく、金属組織、熱処理、加工履歴によって変わります。材料を比較するときに確認したいポイントを4つに分けて紹介します。

1.炭素量・合金成分・金属組織

同じ系統の鋼を同様の条件で比べると、炭素量が増えるにつれて硬さや引張強さが高まり、伸びや靭性が低下しやすい傾向があります。ただし、鋼の性能は炭素量だけで決まるものではありません。

炭素量を増やして硬さや強度を得るだけでなく、極低炭素鋼やIF鋼のように、炭素を意図的に減らして加工性を高める設計もあります。また、Mn、Cr、Ni、Moなどの元素は、それぞれ異なる目的で添加されます。さらに、圧延、冷却、焼入れ、焼戻しなどによって組織が変わるため、同じ炭素量でも性質は異なります。実務では、鋼種、供給状態、熱処理条件まで確認します。

2.強度・硬さ・靭性

強度、硬さ、靭性は、それぞれ異なる特性です。用途に合う材料を選ぶには、どの性質が必要なのかを分けて考えます。

特性 簡単にいうと 代表的な指標 確認したい場面
強度 荷重を受けたとき、降伏や破断にどれだけ耐えられるかを示します。 降伏点・耐力、引張強さ、疲労強度 曲がりや破断、繰り返し荷重による疲労が問題になる部品
硬さ 押し込みによるへこみなど、塑性変形への抵抗を示します。 ロックウェル、ブリネル、ビッカース硬さ 表面のへこみや傷、摩耗が問題になる部品
靭性 衝撃やき裂があるとき、破壊までにどれだけエネルギーを吸収できるかを示します。 衝撃値、破壊靭性値など 衝撃、低温、き裂の影響を受ける部品

※硬い材料が、必ずしも粘り強いとは限りません。また、耐摩耗性は硬さだけで決まらず、相手材、荷重、速度、潤滑、温度などの条件にも左右されます。

たとえば、刃物では硬さと耐摩耗性、構造部材では降伏特性と靭性、歯車では表面硬さと心部靭性など、用途に応じて必要なバランスが変わります。

3.加工性・溶接性・熱処理

加工性には、切削、曲げ、深絞り、鍛造など複数の意味があります。切削性や塑性加工性は、炭素量だけでなく、硬さ、組織、熱処理、介在物、工具、加工条件にも左右されます。

溶接では、炭素量や合金元素によって炭素当量(Ceq)が高くなると、熱影響部が硬化し、低温割れなどのリスクが高まる場合があります。実際の施工条件は、板厚、継手の拘束、水素量、入熱、予熱温度なども含めて決めます。

熱処理では、鋼種によって焼入れで硬さを高め、焼戻しで硬さと靭性のバランスを調整できます。熱処理による歪みや寸法変化もあるため、加工順序と仕上げ代を含めた工程設計が必要です。

4.耐食性と防食方法

純鉄や一般的な普通鋼は、防錆をせず、水分と酸素にさらされると腐食します。一方、ステンレス鋼はCrを10.5%以上含み、表面に形成されるCrに富む不動態被膜によって耐食性を得ています。

金属の耐食性は、材料名だけでなく使用環境に左右されます。ステンレス鋼も、塩化物、すき間、高温、薬品などの条件によっては腐食することがあります。屋外、海沿い、結露、水分の滞留、薬品、洗浄方法などを整理し、防錆仕様とメンテナンスまで含めて検討します。

めっき、塗装、化成処理などの表面処理は、普通鋼だけでなく、純鉄や鋳鉄などにも適用できます。材質、形状、使用環境に合う処理方法を選ぶことが大切です。

代表的な鋼材と用途

建築・土木や機械部品では、「鉄か鋼か」よりも、どの鋼種・規格が要求を満たすかが主な論点です。代表的な鋼材の特徴と用途を整理します。

材料・鋼種 主な特徴 主な用途・選定時のポイント
SS400 一般構造用圧延鋼材(JIS G 3101)です。板・形鋼・棒などで広く流通しています。 建築・土木や一般的な機械構造物に使われます。必要な強度、板厚、製品形状、溶接条件を確認します。
SM材 溶接構造用圧延鋼材(JIS G 3106)で、溶接構造物向けに規定された鋼材群です。 橋梁、建築、産業設備などの溶接構造物に使われます。板厚、靭性、継手性能、適用基準から選びます。
S45C 機械構造用炭素鋼(JIS G 4051)です。炭素量は0.42%以上、0.48%以下です。 シャフト、ピン、歯車などに使われます。必要な強度や硬さに応じて、熱処理の方法を決めます。
合金鋼 Cr、Mo、Niなどを加え、焼入れ性、強度、靭性、耐熱性などを調整した鋼です。 高い強度や深い硬化層などが必要な機械部品に使われます。加工、熱処理、検査を含めて工程を検討します。
ステンレス鋼 Crを10.5%以上含み、耐食性を高めた鋼です。 水回り、食品・化学設備、機械部品などに使われます。塩化物、すき間、温度、洗浄剤などの環境に合う鋼種を選びます。
工具鋼 高い硬さや耐摩耗性が求められる工具向けの鋼です。 刃物、金型、切削工具などに使われます。硬さだけでなく、靭性や熱処理条件とのバランスを確認します。
ハイテン鋼 一般的な鋼材より高い強度を持つ鋼材の総称です。 自動車や構造部材など、薄肉化・軽量化を図りたい部品に使われます。成形性、溶接性、スプリングバックも確認します。

※用途は代表例です。同じ材料名でも複数の鋼種や強度区分があります。規格記号、板厚・寸法、供給状態、熱処理、必要な性能まで確認してください。

SS材とSM材の使い分け

SS400は一般構造用、SM材は溶接構造用の規格です。一般的な鋼構造では両者が広く使われ、SS400も溶接されます。そのため、溶接の有無だけで材料が決まるわけではありません。

構造物の設計条件、板厚、継手性能、必要な靭性、法令・設計基準などから材料を選びます。SM材でも種類によって保証される衝撃特性などが異なるため、規格記号まで確認します。

S○○C材と熱処理

機械構造用炭素鋼は、S35C、S45C、S50Cなどの記号で表されます。名称中の数字は炭素量の目安です。

S45Cなどの中炭素鋼は、シャフトやピンなどに用いられ、必要に応じて焼入れ・焼戻しや高周波焼入れを行います。適切な処理は、鋼種、部品寸法、必要な表面硬さ、心部強度、寸法精度によって異なります。

炭素鋼・合金鋼・ステンレス鋼の位置づけ

入門的には、炭素を主要な調整元素として使う炭素鋼と、Cr、Mo、Niなどの合金元素を積極的に用いる合金鋼に整理できます。ただし、炭素鋼にもMnやSiなどは含まれ、規格や用途によって分類方法は異なります。

ステンレス鋼は、合金鋼のうち主に耐食性を高めた鋼です。工具鋼は硬さと耐摩耗性を重視する材料群、ハイテン鋼は高強度を生かした薄肉化や軽量化を狙う材料群として位置づけられます。ステンレス鋼を詳しく比較するときは、「ステンレス鋼とは?特徴や種類、用途、選定方法を解説」もあわせてご覧ください。

用途から材料を選ぶときの考え方

材料を選ぶときは、用途と使用条件から必要な性質を整理し、規格、加工方法、調達条件まで順に絞り込みます。

材料選定を進める4つのステップ

  1. 使用条件を整理する:荷重、温度、腐食環境、必要寿命、法令・業界規格を確認します。
  2. 優先する特性を決める:強度、硬さ、靭性、耐食性、加工性などに優先順位を付けます。
  3. 材料・規格の候補を比較する:JIS材質記号、供給状態、寸法、入手性を確認します。
  4. 工程と総コストを確認する:切削、曲げ、溶接、熱処理、表面処理、検査、納期まで含めて判断します。

次の表は、用途から材料候補を考えるときの出発点として使える例です。

用途・困りごと 候補になりやすい材料 選ぶときに確認すること
建築・土木の構造部材 SS材、SM材、建築構造用鋼材など 必要な強度、板厚、溶接方法、適用する設計基準を確認します。
シャフト・ピン・歯車 S45Cなどの機械構造用炭素鋼、合金鋼 疲労への強さ、熱処理後の硬さと靭性、寸法精度を確認します。
複雑形状の鋳造部品 ねずみ鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄など 形状や肉厚に加え、振動、衝撃、繰り返し荷重の有無を確認します。
腐食環境で使う部品 ステンレス鋼、普通鋼+防食処理など 塩分、薬品、温度、水分のたまりやすさ、清掃・保守方法を確認します。
磁気特性を重視する部品 電磁純鉄、電磁鋼板など 必要な磁束密度や保磁力、鉄損に加え、加工後の磁気特性を確認します。
付着・摩耗・すべりの改善 母材選定+機能性表面処理 接触物、荷重、速度、温度、洗浄方法から、必要な表面機能を整理します。

※表に示した材料は候補例です。最終的な材料は、設計条件や適用規格を確認し、必要に応じて材料メーカーや加工先と相談して決めてください。

発注時に伝えたい条件

発注や見積りで「鉄で作ってください」とだけ伝えると、必要な材料を特定できません。次の情報を整理して伝えると、材料や工程の選定ミスを減らせます。

  • 材料情報:規格記号、製品形状、寸法、供給状態
  • 加工情報:切削、曲げ、溶接の有無、熱処理、必要な寸法精度
  • 使用条件:荷重、温度、衝撃、繰り返し回数、腐食環境
  • 表面要求:防錆、非粘着、低摩擦、耐摩耗、清掃性など

材質だけでは解決しにくい表面の課題

母材を決めたあとも、付着、摩耗、すべり、腐食、清掃性など、素材だけでは満たしにくい要求が残る場合があります。そのようなときは、対象物の形状、使用温度、接触物、必要な機能を整理し、表面処理を検討します。

表面処理の種類や目的を確認したうえで、現場の課題から考える表面処理の選び方に沿って候補を整理すると、材質と表面機能を一体で検討しやすくなります。

鉄と鋼に関するよくあるご質問

Q1:身の回りの「鉄製品」は純鉄ですか?

身の回りの鉄製品の多くは、材料学上の純鉄ではなく、鋼や鋳鉄です。日常語の「鉄」は広い意味で使われます。また、炭素量が0.02%未満でも極低炭素鋼やIF鋼に分類される材料があるため、炭素量だけで純鉄とは判断できません。技術文書や発注仕様では、SS400やS45Cなどの具体的な材料記号を使います。

Q2:鋼は炭素量が多いほど強くなりますか?

同じ系統の鋼を同様の条件で比べると、炭素量が増えるにつれて硬さや引張強さが高まりやすい傾向があります。一方で、伸びや靭性、溶接性が低下することがあります。実際の性能は、合金元素、組織、熱処理、加工履歴も含めて判断します。

Q3:鋳鉄はすべて、もろい材料ですか?

ねずみ鋳鉄は、片状黒鉛の影響で引張や衝撃に対する延性が低い傾向があります。一方、球状黒鉛鋳鉄は、黒鉛を球状化することで強度や延性を高めています。必要な性質に応じて鋳鉄の種類を選びます。

Q4:SS400やSM材以外の金属も溶接できますか?

はい。一般的な鋼構造ではSS400やSM材が広く使われますが、溶接の対象はこれらに限られません。純鉄、S45Cなどの炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、鋳鉄も、材質や継手に応じて溶接法、溶接材料、施工条件を選ぶことで溶接できる場合があります。

ただし、溶接のしやすさは材質によって異なります。S45Cのような中炭素鋼は溶接部の硬化や割れに注意が必要で、鋳鉄も割れを抑えるための施工管理が重要です。ステンレス鋼やアルミニウム合金では、合金の種類に合う溶接法・溶接材料・入熱管理などを検討します。

異なる金属同士では、母材を溶かす一般的な溶融溶接が難しい組み合わせもあります。その場合は、摩擦圧接など、母材を溶かさずに接合する固相接合法が検討されます。接合の可否は、材質の組み合わせ、継手形状、必要な強度などから個別に評価します。

※「摩擦溶接」と「摩擦圧接」は同じ技術を指します。JISでは「摩擦圧接」が用いられているため、本記事ではこの表記に統一しています。

Q5:鋼鉄・鋼材・鉄材はどう違いますか?

「鋼鉄」は一般に「鋼」とほぼ同じ意味で使われます。「鋼材」は、鋼を板、棒、形鋼、管などの形状にした素材です。「鉄材」は日常的・商取引上の広い呼び方で、規格名称としては曖昧です。仕様書では、規格記号と形状を明示します。

まとめ|鉄と鋼は規格と使用条件を確認して選ぶ

鉄と鋼は、どちらも鉄を主成分とする材料ですが、成分や用途、得られる性質が異なります。材料選定では、規格、形状、加工・溶接、熱処理、使用環境まで確認することが重要です。

  • 純鉄は、炭素を含む不純物が非常に少なく、Fe純度の高い鉄です。軟磁気特性を生かす用途などで使われます
  • 鋼は、鉄を主成分とし、炭素量が一般に約2%未満の材料です。極低炭素鋼やIF鋼のように0.02%未満の鋼もあり、鋼種や熱処理によって強度・硬さ・加工性・靭性などを調整できます
  • 鋳鉄は、一般に炭素を約2%以上含む鋳造材料です。黒鉛の形状や基地組織によって性質が変わります
  • 材質だけで解決しにくい付着、摩耗、すべり、腐食、清掃性などの課題には、表面処理を組み合わせます

付着、摩耗、すべり、腐食、など、部品表面に関する課題がある場合は、対象物の形状、使用温度、接触物、必要な機能を確認し、表面処理の観点から検討します。

株式会社吉田SKTは、1963年からフッ素樹脂コーティングを手掛け、材質だけでは解決しにくい部品表面の課題に応じた機能性表面処理を提案しています。

関連記事