表面処理のご相談

PFAライニングにはどんな種類があるの?加工方法の違いや特徴を解説

PFAライニングとは

腐食が心配な配管やタンクへの表面処理には、コーティングではなくライニングでとよく言われます。ライニングとは、どのような表面処理なのでしょうか。
この記事では、ライニングのなかでも特に多用されるPFAライニングについて解説します。

PFAライニングとは

PFAライニングはフッ素樹脂のひとつであるPFA樹脂を使用したライニングのことです。金属配管やタンクの内面(接液部)をPFA樹脂で被膜することで、耐食性の向上や非粘着性を向上させることができます。

>フッ素樹脂の耐薬品性についての記事はこちら

PFAライニングは配管など製品化されているもの以外では、主に3つの種類があります。

1つ目は、PFA樹脂シートを使用する「シートライニング」。
2つ目は粉体状のPFA樹脂を吹付塗装により加工する「厚膜塗装」。
3つ目は缶体内面でPFA樹脂を溶かしながら回転成型する「ロトライニング」です。

PFA樹脂は防食材料として数多くの使用実績があり、ほとんどすべての薬品に侵されることない耐薬品性を有しますが、その特性はフッ素樹脂単一の特性のため、実用上は使用条件を考慮してライニング方法や膜厚などの仕様を決める必要があります。
以下に、3つのライニングについてひとつずつご説明していきます。

シートライニング

シートライニングは、PFAシートの片面にガラスクロスやカーボンクロスを融着したシートを使用して、金属とPFAシートを接着剤で接着するライニングです。この方法はシートの厚みがライニング厚になるため、厚膜加工が可能です。一方で、接着力が接着剤強度に依存されるため、負圧環境での使用には不向きです。また、複雑な形状への加工が難しい場合があります。
この方法は3つのなかで唯一、PFA樹脂以外のライニング(PTFE樹脂によるPTFEライニングや変性PTFE樹脂によるライニング)も可能です。

PFAシートライニング
PFAシートライニング加工品

>フッ素樹脂シートライニングについての記事はこちら

厚膜塗装(コーティング)

厚膜塗装は、PFAパウダーを静電気の力で金属に付着させ、400℃程度の焼成炉内で焼付を繰り返すことで厚い被膜を作ります。これは基本的にテフロン™コーティングやフッ素樹脂コーティングと同じ方法ですが、特に厚膜のものをライニングと呼んでいます。
粉体を塗装するため、複雑な形状にも加工ができ、密着性が良く負圧や真空環境でも使用が可能です。一方で、膜厚を厚く加工するためには繰り返しの塗装が必要になります。
吉田SKTの「MYライニング®」では、最大で2mm程度までの加工が可能です。また、防爆環境や静電気環境で使用するための帯電防止仕様の加工ができます。

PFA厚膜塗装(ライニング)
PFA厚膜塗装(ライニング)加工品

>吹付塗装(フッ素樹脂コーティング)の製品ページはこちら

>厚膜塗装によるフッ素樹脂の耐食性についての記事はこちら

ロトライニング

ロトライニングは、主に配管はタンクなどにPFAパウダーを封入し、焼成炉内で加熱溶融させながら回転することで、内面に被膜を形成します。焼付塗装のため密着に優れ、負圧環境でも使用可能です。また厚みも1-3mmと厚膜加工が可能です。一方で、膜厚を薄く加工することは難しい加工方法です。

PFAロトライニング
PFAロトライニング加工品

>ロトライニング(回転成型)の製品ページはこちら

ライニング方法の違いとメリット・デメリット

3つのライニングの種類についてそれぞれの特徴を表にまとめました。

種類 シートライニング 厚膜塗装 ロトライニング
方法 接着 吹付塗装 回転成型
施工概要 フッ素樹脂シートを基材に接着し、継ぎ目をフッ素樹脂溶接棒で溶接する フッ素樹脂のパウダー(粉体)を静電塗装し焼成を繰り返し行い被膜化させる 缶体内側にフッ素樹脂パウダーを封入し焼成炉内で回転等を行い焼付けながら被膜化させる。
ライニングの厚み 2-4mm程度 0.3-1.0mm程度 1-3mm程度
メリット シートの厚みがライニング厚みになるため厚膜加工が可能。 比較的複雑な形状に加工ができ、焼付塗装のため密着力が強く真空環境で使用が可能。帯電防止仕様の加工ができる。 焼付により被膜にするため密着力が強く、2mm程度の厚膜加工が可能。
デメリット シートとシートの継ぎ目を溶接し仕上げる。 溶接継ぎ目は、基本的に段差が発生する。また、接着のため負圧環境での使用ができない。 焼付の際、熱処理(400度程度)が必要。 20-100μm/回の塗り重ねを行い、目的厚みまで仕上げるためシートライニングほどの厚膜加工が困難。 焼付の際、熱処理(400度程度)を行いながら回転させる必要があるため回転設備が必要。 膜厚の薄いものは出来ない。

PFAライニングの用途

化学プラントなどの耐食性が求められる分野では、薬液貯蔵タンクや配管、ダイヤフラム、液量計、反応槽などの金属を腐食から守る目的でPFAライニングが使用されます。

半導体や液晶ディスプレー製造プロセスでは、耐食性のほかにPFAのもつ純粋性や非粘着性を利用して、貯蔵タンク、搬送容器、エッチング槽、配管やポンプなどに使用され、金属イオンなどの溶出を防ぎ、パーティクル防止のために洗浄性を向上させる目的でも使用されます。

吉田SKTではこの記事でご説明したライニング処理、製品をお取り扱いしています。
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