表面処理のご相談

【耐食処理】フッ素樹脂シートライニングの基本情報を解説

タンクやノズル、配管などへおこなうフッ素樹脂ライニングの工法のひとつとして、シートライニングがあります。シートライニングはPFA樹脂のほかにPTFE樹脂、変性PTFE樹脂などの材料も選択できます。
この記事では、フッ素樹脂シートライニングの種類から加工工程までご紹介します。

フッ素樹脂ライニングとは

フッ素樹脂ライニングは、フッ素樹脂を金属基材に被膜化することで、優れた耐薬品性を付与します。これによってさまざまな薬品から基材を保護し、耐食性を向上させます。

>フッ素樹脂の耐薬品性についての解説記事はこちら

「テフロンライニング」って?
フッ素樹脂ライニングを指して「テフロンライニング」と呼ばれていることがよくあります。じつは「テフロン™」はケマーズ社の商標のため、一般名称としては「フッ素樹脂ライニング」や、フッ素樹脂の種類ごとの「PTFEライニング」「PFAライニング」が適切です。

>PFAライニングについてまとめた記事はこちら

>フッ素樹脂ライニングのひとつ、ロトライニングのページはこちら

これと同じ目的での表面処理の選択として挙がるのが、「フッ素樹脂シートライニング」です。

フッ素樹脂シートライニングとは

フッ素樹脂シートライニングは、PTFEシートやPFAシートを接着剤で基材に接着する「接着ライニング」と、ライニング配管のような、ライナーと基材を接着しない加工方法の「ルーズライニング」があります。ルーズライニングは、限られた条件でのみ使用が可能なので、ここでは主に接着ライニングについて解説します。

シートライニングはあらかじめ成形されたシートを使用するため、シート厚みがライニング厚みとなり、厚いライニングを施すことができます。それによって、数あるフッ素樹脂ライニングのなかでも優れた耐食性を発揮します。一方で、基材との接着強度は接着剤の接着力に依存するため、負圧環境での使用はできません。

シートライニングの種類

シートライニングに使用されるシート材について、おもな種類と特徴を表にまとめました。

種類 PTFEライニング 変性PTFEライニング PFAライニング
シート材質 PTFE M-PTFE(変性PTFE) PFA
厚み 2mmt 3mmt (4mmt) 2.5mmt 3mmt (4mmt) 2mmt 3mmt
色調 乳白色 乳白色 透明
バッキング面(接着面) ガラスクロス、カーボンクロス エッチング ガラスクロス、カーボンクロス エッチング ガラスクロス、カーボンクロス
接着剤種類 ゴム系
エポキシ系
ゴム系
エポキシ系
ゴム系
エポキシ系
ノズル部の加工 125A以上はシートライニング、それ以下はPTFE及びPFAの加工品を挿入し、溶接する。
ノズル長さは150mm以下とする。
125A以上はシートライニング、それ以下はPTFE及びPFAの加工品を挿入し、溶接する。
ノズル長さは150mm以下とする。
125A以上はシートライニング、それ以下はPTFE及びPFAの加工品を挿入し、溶接する。
ノズル長さは150mm以下とする。

フッ素樹脂シートライニングの接着方法

フッ素樹脂は非粘着性に優れるため、そのまま接着剤を塗布しても弾いてしまい、基材に張りつけてもすぐにはがれてしまいます。そのため、シート片面(接着面)に化学的にエッチングを施したり、ガラスクロスやカーボンクロスを溶着したシートを使用したりします。

PTFE・変性PTFEシート
PTFE・変性PTFEシート
PFAシート
PFAシート
PFAシート
PFAシート

フッ素樹脂シートライニングの工程

【1】受入
 基材(缶体)がライニングに適した形状か確認をおこないます。

【2】下地処理
ライニング面をサンドブラストし、錆や汚れ等を除去し、ライニングに適した粗さに粗面化します。

【3】シート成形
溶接展開図に基づき、ライニングシート材料をカットします。

【4】貼付(接着)
基材(缶体)の被ライニング箇所と、ライニング材の裏面に接着剤を塗布し、貼り付けます。

【5】開先取り
溶接貼り合せ箇所、隙間の接着剤を除去します。

【6】継ぎ目の溶接
PFAのロッドやテープで溶接を行います。
※PTFEは溶融粘度が高く、溶融成形が難しいためすべてのライニングはPFAのロッドやテープを用いて継ぎ目の溶接を行います。

【7】検査
ライニング面の外観、ピンホールの検査を行います。接着や溶接部は目視や指触などで検査を行います。

吉田SKTでも、フッ素樹脂シートライニング用の各種シート材やチューブ、パイプ材を取り扱っております。

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