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「なぜくっつかない!?」テフロン™フッ素樹脂の非粘着性を解説

この記事では、テフロン™フッ素樹脂の特性の一つである「非粘着性」について、性質からメカニズム、活用例までご紹介します。内容をまとめた解説資料を無料でダウンロードいただけます。ぜひご活用ください。

非粘着性という性質

「非粘着性」とは付着性の強い粘着物に対しても離型しやすく、付着しないか、または付着しにくい性質のことを指します。

テフロン™フッ素樹脂が非粘着性に優れる理由

テフロン™フッ素樹脂は他の物質とくっつきにくい樹脂として有名です。
くっつきにくさの理由は、テフロン™フッ素樹脂がもつ3つの特徴にあります。
代表的なテフロン™フッ素樹脂であるPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を例に、その特徴をひとつずつご紹介します。

1、よくはじく性質

PTFE(ポリテトラフルオロエチエレン)は多くの物質に対してはじく性質をもっています。
例えば、テフロン™コーティングのフライパンに水を垂らすと綺麗な水滴になります。
このように水や油をはじく理由として、PTFEの表面張力(※1)が低いことがあげられます。
PTFEは表面張力が低く、逆に水は表面張力が高く、その数値の差が大きいことで綺麗な水滴ができます。

※1 固体や液体の表面(厳密には気層側と接触している最表面の分子)には、表面張力(表面自由エネルギー)というものが存在しています。固体や液体の種類によって表面張力の大きさは異なり、その差が大きいものほどよくはじきます。

固体と液体の表面自由エネルギー・表面張力
固体/液体の表面自由エネルギー、表面張力

2、なじみにくい性質

例えば水に油を注ぐと、混ざり合わずなじみません。これと同じように、PTFEはほとんどの物質に対して「なじみにくい」性質をもっています。

なじみにくさを数値化して表したもののひとつとして、SP値というものがあります。SP値とは溶解度パラメータとも呼ばれ、この数値が離れている物質は「なじみにくく、くっつきにくい」といわれています。

物質のSP値
物質のSP値
水と油(n-ヘキサン)はSP値が離れており、お互いが「なじみにくい」ことを表しています。
そしてテフロン™ PTFEは、ほとんどの物質に対してSP値が離れていることから、それらと「なじみにくい」といえるのです。

3、化学的に安定している分子構造

PTFEは、炭素原子とフッ素原子が結合したものが直鎖的につながった分子構造になっています。
さらに炭素原子同士の結合部はフッ素原子で隙間なく覆われています。

PTFEの分子構造
PTFEの分子構造

また下図のとおり、炭素原子とフッ素原子の結合エネルギーは化学結合の中でとても強いものです。
結合エネルギーが強いことで、ほとんどの物質と化学的に結合することがありません。

原子の結合エネルギーの強さ比較

・炭素原子がフッ素原子で隙間なく覆われた構造
・炭素原子とフッ素原子の結合エネルギーはとても強い


この2つの理由により、代表的なテフロン™フッ素樹脂であるPTFEは、化学的に安定した性質に恵まれているのです。

以上のように、テフロン™フッ素樹脂が非粘着性に優れている理由は、
「よくはじく性質」 「なじみにくい性質」 「化学的に安定している分子構造」
という3つの特徴から説明できます。
吉田SKTではこうした裏付けをしっかりと押さえたうえで、お客様の問題解決と目的のために最適なテフロン™フッ素樹脂のコーティングを開発、ご提供しています。

非粘着性を利用した解決例 -実績例紹介-

【食品業界】
・業務用炊飯釜へのコーティングで米飯のくっつきを防止
・お菓子の焼き型へのコーティングで焼き付きを防止

【自動車業界】
・樹脂部品の成形型、融着治具へのコーティングで樹脂のくっつきを防止

・搬送ロールへのコーティングで加硫前ゴムの付着を防止

【一般工業界】
・塗装機部品へのコーティングで塗料のこびりつきを軽減

・ラベル糊のくっつき防止コーティングでロボットでの搬送が可能に

吉田SKTでは、非粘着性(離型・剥離力)を測定する「コーティング性能測定サービス」や、非粘着性能のコントロール(くっつけたくない、剥がしやすくしたい、逆にくっつけたい、など)をご提案しています。
ぜひご相談ください。

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