交換・材料コストを低減する表面処理(コーティング)
コスト低減は、あらゆる製造業が追求する課題です。コストを抑えることができれば、より多くの利益を確保したり、価格競争力が出せたりと、経営上の強みに直結します。
コストとひとことでいっても、その内容はさまざまです。材料の購入や治工具の交換、外注メンテナンスなどにかかる費用は、目に見える分かりやすいコストといえます。一方、社内作業にかかる手間や時間のような、明瞭にはコスト計上されにくい間接的なコストもあります(社内作業の低減については
こちら)。
表面処理によって、材料ロスを減らしたり、治具などの耐久性(寿命)を向上させたりすることで、いわゆる「目に見えるコスト」を低減できる可能性があります。ただし削減することに意味のあるコストかどうかの見極めも重要で、その対策費用のほうが高くつくケースも考えられます。しかし、たとえば比較的価格の高い材料で、見過ごせないロスが伴っているとしたら、改善によるメリットが大きくなります。
堆積による材料ロスを減らす
生産工程において、材料や、生産に必要な各種資材(洗浄液、切削油など)のロスがかさんでいるケースがあります。貯蔵容器や洗浄槽への堆積が原因であれば、それらの付着を防ぐ表面処理が効果を発揮します。
型や治具の交換頻度を減らす
治具や型などは、繰り返し生産することで消耗し、本来の機能が果たせなくなってきます。そのため早めの交換やメンテナンスを規定している現場がほとんどですが、その頻度があまりに増えると収益性でネックになることがあります。治具の材質や形状をできるだけ変えずに、耐久性や長寿命化を実現できる表面処理があります。