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コーティングの種類・機能について
コーティングの方法について
吉田SKTへのご依頼にあたって
食品衛生法、PL制度について
PFASについて
コーティングの種類・機能について
コーティング材料としてのテフロン
TM
フッ素樹脂と一般的なフッ素樹脂の違いは何ですか?
「テフロン
TM
」はケマーズ社のフッ素樹脂の商品名です。フッ素樹脂にはPTFE、PFA、FEPなどの種類があり、テフロン
TM
にもテフロン
TM
PTFE、テフロン
TM
PFA、テフロン
TM
FEPなどがあります。
家庭用のフライパンのフッ素樹脂コーティング(テフロン
TM
コーティング)と吉田SKTのフッ素樹脂コーティング(テフロン
TM
コーティング)は何がどう違いますか?
フライパンのフッ素樹脂コーティング(テフロン
TM
コーティング)はフッ素樹脂のなかで、主にPTFEという樹脂を使用しています。膜厚も20-50μmのものです。
当社はこれらのコーティングも加工できますが、ものがくっつきにくくなる特性をもつ非粘着性コーティングだけでも、膜厚が1μm程度の「ナノプロセス
®
」や、フッ素樹脂のみで凹凸を付けた「TPシリーズ」、「スーパーTPシリーズ」などの複数のコーティングがあります。コーティング材料もPTFE以外にPFA、FEPさらにはシリコーン材料など、非粘着性コーティングや製品で100種類以上あります。
フッ素樹脂を侵す薬品は無いのですか?
フッ素樹脂も種類が多くフッ素の少ないものは溶剤に溶解したり、薬品に侵されたりするものはあります。PTFEやPFAなどのフッ素樹脂は現在のところ溶解させたり侵す薬品は見つかっておりません。
非粘着コーティングと耐食コーティングは何がどう違いますか?
非粘着コーティングは一般的に食品やゴム、樹脂などの離型用途に使用されることが多く、基材を短時間で腐食するような材料が接することはほとんどありません。そのために強い薬品を完全に防護できる塗膜でなくとも使用することができるため、塗膜厚みは20-50μmと薄膜が使われます。
耐食コーティングは強い薬品から基材を完全に防護する必要があるため、コーティング膜に欠陥ができにくいコーティング材料を使い、かつ非粘着コーティングの約10倍の200μm以上にするのが一般的です。
潤滑用途のコーティングと非粘着用途のコーティングとでは何がどう違いますか?
潤滑コーティングは一般的に二硫化モリブデン、グラファイト、PTFEなどの粉末をコーティング材にブレンドしたり、樹脂塗料などにブレンドして使用されています。一方、非粘着コーティングは表面が100%非粘着剤で覆われていないと非粘着性が発揮されないため、フッ素樹脂の溶融温度以上の400℃程度での焼き付けが必要になります。
樹脂、ゴムに加工できるコーティングはありますか?またどのような樹脂やゴムに加工できますか?コーティングすることでどんな機能をもたせることができますか?
樹脂、ゴムに加工できるコーティングはあります。コーティング材料はシリコーンが多いですが低温で加工できるフッ素系の材料もあります。FRP、シリコーンゴム、ウレタンゴム、PVCなどほとんどの樹脂ゴムに加工できますが、初回加工の場合は事前に密着のテストをすることをお勧めします。コーティングの機能としましては非粘着性、撥水撥油性、潤滑性、防汚性、グリップ防止などがあります。
PTFEとPFAの違いを教えてください。
PTFEとPFAの違いとしては、まずは融点に違いがあります。PTFEが327℃に比べ、PFAはだいたい305-308℃になります。さらにPTFEは結晶化度が高く、真っ白な色をしています。PFAはPTFEより結晶化度が低く半透明です。潤滑性は結晶度の高いPTFEのほうが摩擦係数は低くなります。またPTFEは融点以上になってもほとんど流動せず成形性が悪いのに比べ、PFAは良く流動し射出成形やフィルム押し出し、厚塗りコーティングなど加工性に優れています。
ステンレス(SUS)にフッ素樹脂を加工したらSUSに色が付いたのはなぜですか?
SUS基材は300℃以上に温度を上げると、SUSの表面に酸化被膜ができテンパーカラーという色が出ます。これは温度が高くなるほど濃くなりますのでSUS基材の場合、SUSは焼くと色が付くことを知っていただくと助かります。
コーティングの方法について
フッ素樹脂の加工温度は何度ですか?
使用されるフッ素樹脂の種類によって異なりますが、PTFE、PFAでは一般にほぼ400℃程度の加熱が必要です。この温度で基材の熱変形や寸法変化をご心配される場合は、一度営業員にご相談ください。
空焼きは何度くらいでおこなうのですが?なぜ空焼きが必要なのですか?
当社での空焼きは一般的には400℃以上でおこないます。空焼きは汚れを取るためにおこないます。溶剤脱脂では汚れによっては取れないものがあるため、すべての汚れ除去に有効な空焼き処理をおこないます。また、フッ素樹脂コーティングの焼き付け温度以上でおこなうことで、後工程での不具合をなくすという目的もあります。
フッ素樹脂コーティング(テフロン
TM
コーティング)の塗装方法でいちばん多い塗装方法は何ですか?またその理由は何ですか?
いちばん多いのはスプレー塗装です。当社へのコーティング依頼品は大きさも形もさまざまで、加工精度も要求されることから、複雑な形状物にも対応できるスプレー塗装が適していて、この塗装方法が主流になっています。
フッ素樹脂コーティング(テフロン
TM
コーティング)はどんなものにコーティングできますか?
一般的にはステンレス、アルミニウム、鉄などの金属素材に加工できます。用途によってはゴムや樹脂材、セラミックスなどへのコーティングも可能ですので一度ご相談ください。
フッ素樹脂はものがくっつかないのにどうやって金属に接着させているのですか?
フッ素樹脂を金属とくっつけるために、プライマーという金属とフッ素樹脂の両方に接着できる下地を塗り、その上にフッ素樹脂を加工し焼成により接着させます。
厚塗りのフッ素樹脂加工(ライニング)の基材は角部の面取り(R加工)をしているのはなぜですか?
プラスチックは加熱し溶融させると収縮が起きます。フッ素樹脂も同じでフッ素樹脂を加工すると収縮が起き、膜が厚いと大きな力が発生し、角にエッジが立っているとここで膜が切れたり剥れたりします。これを防止するために、ライニング加工の場合には外角(凸部)は5R以上、内角(凹部)は15R以上の面取りを行っています。
吉田SKTへのご依頼にあたって
コーティングできるものの大きさはどのくらいですか?
フッ素樹脂コーティングの場合、炉による焼成が必要です。コーティングできる大きさは炉の大きさによって決まります。
当社では3M間口の7M奥行の炉や1M間口の10M奥行の炉を備えておりますので、陸送できる大きさの範囲のほとんどの加工品に対応しております。形によっては炉へのセット方法などの検討が必要ですので一度ご相談ください。
コーティング依頼品はどこへ送ればいいですか?
当社では愛知県名古屋市、東京都荒川区、山口県美祢市に工場がございます。
コーティングの種類や加工品の大きさなどにより異なりますので各営業担当よりご案内させていただきます。
何個から加工してもらえますか?
試作品や単品のもの1個からでも加工を承っております。
フッ素樹脂コーティングの再コーティングはできますか?
フッ素樹脂コーティングの再コーティングは可能です。ただし、基材の材質やご使用の用途によっては留意点などございますので担当の営業員にご確認ください。
食品衛生法、PL制度について
コーティングはポジティブリスト制度(以下PL制度)の対象になりますか?
コーティングがPL制度の対象かどうかは、コーティング材料や用途によって判断が分かれます。例えば食品用の器具や容器包装に使われる合成樹脂は対象となりますが、それ以外の用途や材料では対象外となることがあります。具体的な用途や求める性能をお伝えいただければ、最適なコーティングの選定とPL制度への適合性についてご案内します。
食品衛生法に適合するコーティングを教えてください。
食品衛生法に適合するコーティングには、PTFEやPFAなどのフッ素樹脂系やシリコーン系などがあり、材料や用途に応じて選択できます。具体的な使用条件(温度、接触時間、洗浄方法など)をお伝えいただければ、最適なコーティングをご提案します。
PFASについて
テフロン
TM
コーティング(フッ素樹脂コーティング)のPFAS含有について教えてください。
まずPFASの定義として、ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物の総称で、PTFEやPFAを含む1万種類以上の物質が該当します。そのためテフロン
TM
コーティング(フッ素樹脂コーティング)に使われるフッ素樹脂は、分子構造上はPFASに分類されます。当社では、PFAS含有を懸念されるお客様のため、フッ素樹脂が持つ非粘着性、すべり性、耐食性などの各機能を実現する”PFASを含まない”複数のコーティングを、用途に応じてご提案します。
PFASフリーの耐食コーティングはありますか?
はい、ございます。耐食コーティングは、強い薬品から基材を完全に守るため、一般的に200μm以上の膜厚が必要です。当社には、PFASフリーでありながら優れた耐食性を発揮する材料もあります。使われる環境や、要求される耐食性能をお伝えいただければ、最適なコーティングをご提案します。
PFASに関する御社の取り組みを教えてください。
現在、国内でPFAS全般を規制する法律は制定されていません。しかし当社ではお客様のニーズにお応えするため、フッ素樹脂コーティングの特性を維持しながらPFASを使用しないコーティングの開発を進めています。例えば「FFLCシリーズ」は、PFASを使用せず、フッ素樹脂コーティングと同等の潤滑性能を実現しています。当社は、具体的な用途や求められる性能に応じて、最適なPFASフリーコーティングをご提案します。
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TEL:052-302-3030 (名古屋事業所)