セーフロン®
セーフロン®
帯電防止フッ素樹脂コーティング、テフロン™コーティング



帯電防止フッ素樹脂コーティング(テフロン™コーティング)とは

フッ素樹脂コーティングやテフロン™コーティングは非粘着性、低摩擦性、耐薬品性、耐熱耐寒性、撥水性、電気絶縁性に優れる表面処理です。しかし優れた電気絶縁性は、静電気が発生する環境において、帯電しやすい性質があり問題を起こす場合があります。帯電防止フッ素樹脂コーティングは、低い電気抵抗値を実現し、飛躍的に「帯電しにくい」塗装面をつくるコーティングシステムです。 帯電防止フッ素樹脂コーティングとは

【帯電とは】
静電気は、電荷が動けず静止して正負の電荷が不均衡になっている状態に発生しやすく、この状態を帯電といいます。フッ素樹脂は高絶縁体で静電気をほかに逃がすことができず、帯電しやすい樹脂です。静電気は身近によく見られる現象ですが、発生原因が不明確で根本解決が難しい現象でもあります。2種類の物質を相互に摩擦すると一方が【+】に、他方が【-】に帯電する「摩擦帯電」が一般的によく知られていますが、ほかに「剥離帯電」、「誘導体電」などがあります。

◎帯電(静電引力)によるトラブル
製品のはりつき、ごみの付着、メッシュやパイプの詰まり、繊維のからみなど
◎帯電(放電)によるトラブル
引火よる火災、電撃ショック、フィルムの感光、半導体の破損、装置の誤動作など


帯電防止フッ素樹脂コーティングの特長・効果

  • 優れた帯電防止性(表面抵抗率:105Ω/ロ (YE-710系・実測値))
  • 非粘着性
  • 耐熱・耐寒性
  • 耐薬品性
  • 低摩擦性
  • 撥水性
セーフロン®はフッ素樹脂コーティングならではの非粘着性や耐薬品性、耐摩耗性を損なうことなく帯電防止性を向上。
さらに、次のような特性に優れたグレードをラインナップしています。(名称からそれぞれの物性データに移動します)

セーフロン®AS+
防汚性を高めたグレードです。

セーフロン®LF+
耐摩耗性、加工性(100℃以下での加工)、潤滑性に優れます。

セーフロン®CC+
透明性を損なうことなく、帯電防止性能を発揮。ガラスや樹脂といった素材が持つ透明性を生かしたまま帯電防止性能を付与することが可能で、防汚性や撥水・撥油性にも優れます。

セーフロン®シリーズは、静電気の影響を受けやすい環境においても、装置の不具合や不良品の発生を著しく抑え、コーティングの優れた機能を生かすことができます。


セーフロン®の物性比較表

※物性比較表の値はSUS304基材にて評価した値です。
※数値は実測値であり、保証値ではありません。
※実際の設計・仕様選定にあたっては、必ず当社までお問い合わせください。
基材 SUS304
コーティングの種類 なし 通常PTFE
コーティング
通常PFA
コーティング
セーフロン®
仕様品番 OCP-033 Q2CE-034 YE-702 YE-710
最高使用温度 260℃ 260℃ 260℃ 260℃
膜厚(μm) 20-50 20-50 30-60 20-50
動摩擦係数 ※1 0.50-0.60* 0.05-0.06 0.14-0.15 0.09-0.11 0.04-0.10
接触角(°)H2O 70-80 105-115 105-115 105-115 105-115
接触角(°)nHD ~10 45-55 45-55 45-55 45-55
溶融PPシート
離型テスト(180℃)※2
×
耐マジック汚染評価 × ◎◎ ◎◎ ◎◎
漏洩抵抗値(25V) 5×106Ω以上 5×106Ω以上 104-105Ω 104-105Ω
表面抵抗率(10V)※3 1012Ω/□以上 1012Ω/□以上 105-106Ω/□ 104-106Ω/□
体積抵抗率(10V)※3 7×10-5Ω・cm 1012Ω・cm以上 1012Ω・cm以上 106-107Ω・cm 105-107Ω・cm
*基材削れあり
※1 動摩擦係数 測定条件
 測定子:SUS304 φ10mm 測定荷重:200g
※2 溶融PPシート離型テスト方法
 コーティング面をヒーターで180℃まで加熱し、PPシートを付着させた状態で引きあげた時の樹脂の付着を評価
※3 三菱化学株式会社製 Hiresta-UP MCP-HT450にて測定


セーフロン®AS+の物性比較表

※物性比較表の値はSUS304基材にて評価した値です。
※数値は実測値であり、保証値ではありません。
※実際の設計・仕様選定にあたっては、必ず当社までお問い合わせください。
コーティングの種類 セーフロン®AS+
仕様品番 YE-BK122C YE-GY123A YE-GN123A YE-WH124B
最高使用温度 260℃ 260℃ 260℃ 260℃
膜厚(μm) 30-60 30-60 30-60 30-60
鉛筆硬度(室温硬度) H F H 2H
動摩擦係数 ※1 0.11-0.12 0.17-0.19 0.13-0.15 0.16-0.19
接触角(°)H2O 105-115 105-115 105-115 105-115
接触角(°)nHD 45-55 45-55 45-55 45-55
溶融PPシート
離型テスト(180℃)※2
耐マジック汚染評価 ◎◎ ◎◎ ◎◎ ◎◎
漏洩抵抗値(25V) 104-105Ω 104-105Ω 104-105Ω 104-105Ω
表面抵抗率(10V)※3 105-106Ω/□ 105-106Ω/□ 105-106Ω/□ 105-106Ω/□
体積抵抗率(10V)※3 105-107Ω・cm 106-107Ω・cm 106-107Ω・cm 106-107Ω・cm
※1 動摩擦係数 測定条件
 測定子:SUS304 φ10mm 測定荷重:200g
※2 溶融PPシート離型テスト方法 
 コーティング面をヒーターで180℃まで加熱し、PPシートを付着させた状態で引きあげた時の樹脂の付着を評価
※3 三菱化学株式会社製 Hiresta-UP MCP-HT450にて測定

防汚性を向上させたセーフロン®AS+のページ(開発品ブログ)


セーフロン®LF+の物性比較表

※物性比較表の値はSUS304基材にて評価した値です。
※数値は実測値であり、保証値ではありません。
※実際の設計・仕様選定にあたっては、必ず当社までお問い合わせください。
コーティングの種類 セーフロン®LF+
仕様品番 YE-3119BK YE-3219BK YE-3328GY YE-3334GN
特長 低温加工可能
(100℃以下)
高潤滑 高離型 高離型
最高使用温度 160℃ 220℃ 150℃ 260℃
膜厚(μm) 30-60 15-30 15-30 20-40
鉛筆硬度(室温硬度) 3H 3H 2H 3H
動摩擦係数 ※1 0.06-0.07 0.09-0.10 0.05-0.06 0.06-0.08
接触角(°)H2O 90-100 105-115 105-115 110-120
接触角(°)nHD 35-45 50-60 45-55 45-55
溶融PPシート
離型テスト(180℃)※2
× ×
耐マジック汚染評価 × × × ×
漏洩抵抗値(25V) 103-105Ω 103-105Ω 104-106Ω 103-105Ω
表面抵抗率(10V)※3 106-108Ω/□ 104-107Ω/□ 106-108Ω/□ 106-108Ω/□
体積抵抗率(10V)※3 106-108Ω・cm 105-107Ω・cm 106-108Ω・cm 106-108Ω・cm
※1 動摩擦係数 測定条件
 測定子:SUS304 φ10mm 測定荷重:200g
※2 溶融PPシート離型テスト方法
 コーティング面をヒーターで180℃まで加熱し、PPシートを付着させた状態で引きあげた時の樹脂の付着を評価
※3 三菱化学株式会社製 Hiresta-UP MCP-HT450にて測定

機械的強度・潤滑性・加工性に優れたセーフロン®LF+ページ(開発品ブログ)


セーフロン®CC+の物性比較表

※数値は実測値であり、保証値ではありません。
※実際の設計・仕様選定にあたっては、必ず当社までお問い合わせください。

<セーフロン®CC+の加工適応表>
コーティングの種類 基材のみ 基材のみ フッ素系
PC ガラス セーフロン®CC+
仕様品番 CCC1-F100 CCC1-F200
ガラスへの加工
汎用透明樹脂への加工 ×

<セーフロン®CC+の物性比較表>
基材 PC ガラス ガラス
コーティングの種類 基材のみ 基材のみ フッ素系
セーフロン®CC+
仕様品番 CCC1-F100 CCC1-F200
加工温度(℃) 260-300 60-80
透明性
(透過率(%)550nm)
90 92 85 86
膜厚(μm) ~1 ~1
鉛筆硬度 ※1 B 9H< 9H< 9H<
接触角(°)H2O 75-85 40-45 105-115 105-115
接触角(°)nHD ~15 ~10 60-70 50-65
離型性
(溶融PPシート
離型テスト(180℃)※2)
×
防汚性
(耐マジック汚染評価 ※3)
× × ◎◎
抵抗値
(表面抵抗率(10V) ※4)
1012Ω/□以上 1012Ω/□以上 105-107Ω/□ 105-108Ω/□
※1 コーティングの硬度であり、樹脂基材の硬度を上げるものではありません
※2 溶融PPシート離型テスト方法
 コーティング面をヒーターで180℃まで加熱し、PPシートを付着させた状態で引きあげた時の樹脂の付着を評価
 ○:樹脂残りなし △:やや樹脂残りあり ×:樹脂残りあり
※3 耐マジック汚染評価方法
 (1)各マジックでテストピース上にラインを書く。(3往復)
 (2)室温で10分間放置。
 (3)不織布でマジックのラインを10往復、空拭きする。
 (4)テストピース上のマジックの残り具合を確認する。
 ◎◎:拭き取り残りなし ◎: 僅かに拭き取り残りあり ○:少し拭き取れる
 △:僅かに拭き取れる ×:全く拭き取れない
※4 三菱化学株式会社製 Hiresta-UP MCP-HT450にて測定

透明性を維持できるセーフロン®CC+ページ(開発品ブログ)


仕様

  • 基材…鉄、SUS、アルミニウム、その他金属材料、ガラス、樹脂
※加工基材はシリーズによって異なります。

帯電防止フッ素樹脂コーティングのおもな用途

計量ホッパー/押し出しスクリュー/耐化学薬品用タンク/撹拌羽根/ストレーナー/
ハウジング/ポンプ/バルブ/配管(直管、T字管、エルボ、レデューサー)/
ヘルール配管/塗料/インク用容器/ウエハーチャック/コーターノズル/
インク・接着剤パン/洗浄チャンバー/ロール/製品保護用ガイド/遠心分離機

帯電防止フッ素樹脂コーティングの用途



表面処理導入までの流れ
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株式会社 吉田SKT
〒451-0062 愛知県名古屋市西区花の木一丁目12番20号
TEL:052-524-5211 / FAX:052-524-5287
Copyright © YOSHIDA SKT CO.,LTD. All right reserved.
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