安全性・環境要求に応える表面処理(コーティング)
生産設備における安全レベルの低下や事故を引き起こすおもな要因として、稼働・経年による劣化があります。とくに配管の内側や機械の内部など目の届きにくいところで、気づかないうちに劣化や変質が進んでいることがあり、適切な保全対策を取ることが不可欠なケースもあります。
たとえば腐食性のある物質にさらされる設備では、金属が腐食することにより機械強度の低下や、ひどい場合は貫通が生じ、材料などの漏洩(事故)につながる恐れがあります。そうした腐食性環境に対しては、「耐食コーティング」をはじめとする表面処理が選定・検討されます。
以下のような安全性に影響する要因について、それぞれ表面処理で対策できる可能性がありますのでご相談ください。
- 酸やアルカリなど化学物質による腐食
- 電気的な腐食
- 材料の詰まりや堆積による急な機械停止
- ガラス機器の破損・飛散
- 汚れによる視界不良・誤認
また、なんらかの目的で表面処理を施す際に、もともと目的とする機能だけでなく、それが設置される「環境」や「生産上の必要性」に合わせてさまざまな特性をコントロールする必要があります。そのような環境要求に対応した仕様を導き出し、ご提案することができます。
静電気対策
表面処理のなかには、静電気を帯びやすいものがあります。そのため、引火性の溶剤が存在する工程やクリーン環境など防爆が求められるケースでは、帯電防止性に優れた処理をご提案します。
温度条件
表面処理を必要とする設備には、高温下で成形したり、融着したりする工程があります。しかし、表面処理は200℃を超えるような使用条件で採用すると思い描いたような結果が得られないことも。高温下でも使用でき、耐熱性に優れた処理を選定する必要があります。
機械圧力への強度
フラスコやビーカーなどのガラス製品は扱いやすくさまざまなラボや生産設備で使用されていますが、落としたり何かにぶつけると割れてしまう恐れがあります。割れた際の怪我や内容物の飛散を防止するために、ガラス器具の外面にコーティングを施すことで、安全性を高めることができます。