MRSコーティングに関するよくあるご質問
吉田SKTのシリコーンコーティング「MRSコーティング」に関する、お客様からよくいただくご質問をまとめました。
MRSコーティングの特性や用途、グレードの違いなどについてご案内いたします。




MRSコーティングの基本情報
MRSコーティングとはどのようなコーティングですか?
MRSコーティング(モールドリリースシリコーン)は、従来のシリコーンコーティングにはない特長を持つ非粘着コーティングです。シリコーンを主成分としたコーティングで、優れた離型性(非粘着性)を発揮しながら、耐溶剤性、膜硬度、耐熱性、低温加工性といった特長をもつ革新的な表面処理技術です。表面が平滑なため汚れをふき取りやすく、特定のグレードでは溶剤を使用して掃除しても離型性がほとんど変わりません。
従来のシリコーンコーティングやフッ素樹脂コーティングとどのような違いがありますか?
MRSコーティングはテフロン™フッ素樹脂コーティングを上回る離型性を誇り、粘着テープやシールのような特に粘着性の高い材料も簡単に剥がせるようになるといった効果を発揮します。また、従来のシリコーンコーティングでは溶剤で清掃すると非粘着性が低下しますが、MRSコーティングの一部のグレードでは清掃後も効果が持続します。さらに薄膜形成が可能なため、刃物の鋭い刃先や、しぼ目などの形状を保つことができます。
MRSコーティングの主な特長を教えてください
MRSコーティングの特長のひとつ目は、優れた「非粘着性・離型性」です。粘着テープ、生ゴム、ホットメルト接着剤といった、非常に粘着性の高い物質に対しても離型性を発揮します。2つ目に、清掃後も効果を持続する点が挙げられます。表面が平滑なため汚れを拭き取りやすいうえ、一部のグレードでは溶剤で清掃しても離型性が維持されます。3つ目は、コーティング後の表面形状の維持です。薄膜のグレードでは基材の表面形状がほとんど変わらないため、刃物や精密部品にも適しています。さらに、グレードによっては300℃の高温にも耐える耐熱性があります。一方で低温加工も可能で、種類とグレードによっては80℃以下という加工温度を実現しており、樹脂やゴム製品にも加工できます。


MRSコーティングの種類とグレード
MRSコーティングにはどのような種類がありますか?
MRSコーティングには、全グレードに共通の離型性(非粘着性)という基本機能に加えて、耐溶剤性に優れ溶剤で清掃しても効果が持続する「MRS-102」、薄膜のため刃物の刃先の薄さやしぼ目などの形状を保つ「MRS-014」、耐熱性が特長で条件によっては300℃での使用も可能な「MRS-004」、低温加工性(80℃以下)があり樹脂やゴム製品にも加工できる「MRS-200」、潤滑性に優れ滑りが必要な用途に適した「MRS-003」があります。各グレードの詳細については、弊社技術営業担当までお問い合わせください。
MRSコーティングの各グレードはどのように選べばよいですか?
MRSコーティングは、使用環境や求める性能によって選定するグレードが異なります。溶剤で頻繁に清掃する必要がある環境には、耐溶剤性に優れた「MRS-102」が適しています。刃物や精密部品など、薄膜で表面形状を維持する必要がある場合は「MRS-014」や「MRS‐003」が選ばれます。高温環境で使用する場合は「MRS-004」、樹脂やゴム製品に対して低温での加工が必要な場合は「MRS-200」が適しており、あるいは滑り性も重視する場合は「MRS-003」をお勧めしています。グレードの選定にあたっては、具体的な使用環境や要求性能をお伺いしたうえで、弊社技術営業担当が適切なご提案をいたします。まずはお気軽にご相談ください。
シリコーンが離型性に優れる理由を教えてください
シリコーンコーティングが離型性に優れる主な理由は、「よくはじく性質(表面張力の低さ)」にあります。この性質は、水に対しては「撥水性」を示し、粘着物に対しては「離型性」を示します。シリコーンは表面張力が低いため、他の物質となじみにくく、結果として離型性や撥水性に優れています。MRSコーティングは、このシリコーンの性質を活かしながら、従来のシリコーンコーティングでは難しかった耐溶剤性や高硬度、高耐熱性などの特性を付与した革新的なコーティングです。


MRSコーティングの用途と適用例
MRSコーティングはどのような用途に適していますか?
MRSコーティングは粘着テープ、ラベル、シール、ホットメルト接着剤などの離型に適しており、粘着物を付着しにくくする用途に効果を発揮します。またゴム製品成形時における金型や装置パーツへの生ゴム付着防止にも有効です。さらに食品製造機器では食品の付着防止に、またカット工程の刃物やカット台、糊の付いた製品を搬送するローラーの付着防止にも最適です。また計測機器の内面等へ処理することで計測物の付着(残存)防止が実現できます。
MRSコーティングの具体的な適用事例を教えてください
MRSコーティングの代表的な適用事例として、まずゴム製品のバキュームノズルへの付着防止があります。ゴム製品(Oリング)を成形する際に使用するバキュームノズルの内面にMRSコーティングすることで、成形直後で粘着性のあるOリングの張りつきを防止しました。これによって、ノズル清掃にかかっていたライン停止時間が解消されました。また、ガムテープ自動貼付装置のローラーに、ガムテープの付着を防止するMRSコーティングを施したところ、良好な結果を得ました。さらに、糊付き紙の搬送ローラーの事例では、搬送ロールへの糊のくっつきを防止しつつ、溶剤での洗浄も可能にしました。そのほかにフィルムカットテーブル(置き台)への粘着物の付着を防止したり、サンドイッチを切る工程で刃物へのサンドイッチの付着を防止したり、メジャーカップの内面に液切れが良い撥水性を与えることで計測物の付着(残存)を軽減したなどの例があります。
どのような業種・業界での使用実績がありますか?
MRSコーティングは包装業界、食品業界、ゴム・樹脂製造業、印刷業界、電子部品製造、自動車部品業界、医療機器などの業種・業界で広く使用されています。包装業界ではラベルやテープを扱う装置や包装機械に、食品業界では食品加工機器や搬送装置に適用されています。ゴム・樹脂製造業では成形金型やバリ取り装置に、印刷業界では粘着紙やシールを扱う装置に使用されています。また、電子部品製造では粘着物を扱う製造装置に、自動車部品業界ではゴム成形部品の製造装置に、医療機器分野では医療器具や製造装置に活用されています。


技術的な質問
MRSコーティングの膜厚はどのくらいですか?
MRSコーティングの膜厚は、グレードや用途によって異なります。薄膜を特徴とするMRS-014などのグレードは、刃物や精密部品に適した薄さで、表面形状をほとんど変えません。具体的な膜厚や対応可能な膜厚範囲については、弊社技術営業担当までお問い合わせください。用途や要求仕様に応じて最適な膜厚をご提案いたします。
どのような基材に対応していますか?
MRSコーティングが対応する基材は、おもに金属(鉄系材料、ステンレス鋼、アルミニウムなど)、セラミックスですが、MRS-200などの低温加工が可能なグレードでは、樹脂やゴム製品にも加工可能です。具体的な基材への適用可否については、弊社技術営業担当にご相談ください。基材の種類や状態によって適用可否や前処理方法が異なります。
MRSコーティングの耐熱温度はどのくらいですか?
MRSコーティングの耐熱温度はグレードによって異なります。特に耐熱性に優れたMRS-004グレードでは、条件によっては300℃での使用も可能です具体的な使用温度条件については、弊社技術営業担当にご相談ください。
MRSコーティングはPFASフリーですか?
MRSコーティングはシリコーンを主成分としており、一部を除きPFAS(フッ素樹脂)を含まないPFASフリー製品として提供しています。シリーズごとのPFAS使用有無については、弊社までお問い合わせください。当社では次世代製品の開発として、環境に配慮したPFASフリーコーティングの開発も進めています。


メンテナンスと耐久性
MRSコーティングの寿命はどのくらいですか?
MRSコーティングの寿命は使用環境や条件によって大きく異なります。特にMRS-102のような耐溶剤性グレードでは、溶剤での清掃後も効果が持続するため、従来のコーティングと比較して長寿命であることが特長です。実際の使用環境での耐久性や寿命については、具体的な使用条件をお伺いした上で、弊社技術営業担当が適切な情報をご提供いたします。また、実際の使用環境での検証を行うために、テストピースのご提供も可能です。
MRSコーティングのメンテナンス方法を教えてください
MRSコーティングの表面は、平滑で汚れをふき取りやすく、メンテナンスが容易です。まず表面の汚れは柔らかい布などでやさしく拭き取ってください。MRS-102など耐溶剤性グレードでは、溶剤を使用した清掃も可能です。使用環境に合わせた定期的な点検と清掃が効果的です。具体的なメンテナンス方法は使用環境や条件によって異なりますので、詳細については弊社技術営業担当にご相談ください。お客様の使用状況に合わせた適切なメンテナンス方法をご案内いたします。


導入と相談について
MRSコーティングの導入についてどのように相談すればよいですか?
MRSコーティングの導入について、お電話でのお問い合わせは052-524-5211(代表)までお願いします。Webサイトからのお問い合わせはお問い合わせフォームよりご連絡ください。またカタログやサンプルをご入用の場合はカタログ・サンプル請求フォームからご請求いただけます。ご相談時には、使用環境や条件、解決したい課題などの情報をお伝えいただけると、より適切なご提案が可能です。弊社技術営業担当が丁寧にご対応いたします。
MRSコーティングのサンプルや実物を見ることはできますか?
はい、MRSコーティングのサンプルやテストピースをご用意することが可能です。お客様の使用環境や条件に合わせたテストピースでの評価を通じて、実際の効果を確認いただけます。サンプルやテストピースのご依頼、また体感キットについては、弊社Webサイトのお申込フォームからご請求いただくか、お電話(052-524-5211)にてご相談ください。
対応可能な加工サイズや納期について教えてください
MRSコーティングの対応可能な加工サイズや納期については、製品の形状や数量、加工内容によって異なります。具体的な加工サイズや納期については、弊社技術営業担当までお問い合わせください。
株式会社 吉田SKT
〒451-0062 愛知県名古屋市西区花の木一丁目12番20号
TEL:052-524-5211 / FAX:052-524-5287
Copyright © YOSHIDA SKT CO.,LTD. All right reserved.
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