電子基板用メッキ治具とは、おもにメッキ液槽のなかで基板を固定したり、レールで搬送したりするための部材のことです。
メッキのしくみは、製品をメッキ液槽に入れ電気を通し、その反応を利用して製品にメッキ剤となる金属を付着させ、被膜とします。このとき、製品に付随する治具にまでメッキされることは望ましくないため、治具には絶縁性を持たせる目的で塩ビコーティングを加工されていました。またこの塩ビコーティングには、撥水性によってメッキ液を弾き、治具から次工程にメッキ液が持ち出されるのを防ぐ効果もありました。
しかし、長時間使用すると塩ビコーティングにメッキ液が浸透して劣化し始め、機能が落ちてお困りでした。
塩ビコーティングは、安価で厚膜加工もできます。しかし長く使用していると、徐々にメッキ液が被膜に浸透し、被膜の硬化が起きていました。さらに治具と被膜が密着していないため、温度サイクルで膨張収縮を繰り返すことでクラックが発生、隙間にメッキ液が入り込んでしまいます。これがメッキ液の持ち出しにつながっていました。
以上のことから、塩ビコーティングよりもメッキ液に対して劣化しない、耐薬品性の高いコーティングが求められました。
フッ素樹脂コーティングのなかでもPFAコーティングは耐薬品性が高く、メッキ治具への採用実績もあります。しかし、塩ビコーティングに比べるとコストが非常に高く、より安価で厚膜加工が可能なコーティングが必要でした。
吉田SKTでは、一般的なPFAコーティングに比べて加工性に優れ、厚膜加工が可能なフッ素樹脂コーティングをご提案。塩ビコーティングに比べて圧倒的な長寿命を実現し、時間の経過によるひび割れや、メッキ液の持ち出しも長期にわたり防ぐことができました。トータルのランニングコストも下がり、ライン全体にご採用いただきました。
メッキ治具に最適なコーティング
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