クリアファイルに使用されるような薄いPP(ポリプロピレン)シートを切断する工程では、1日何万回と切断するため、切断刃にPPシートがくっついてラインが停止するトラブルがありました。
刃物ははさみのように2枚の刃でせん断するタイプで、PPが付着すると切断面が荒れて製品不良の原因になっていました。
刃物へのコーティングの場合、くっつきを防止する非粘着性はもちろんのこと、切れ味を保つことも重要です。通常のフッ素樹脂コーティングでは、塗膜が厚いために切れ味が悪くなったり、非粘着性も足りなかったりします。
今回は数μmという薄膜が可能で、溶けた樹脂もくっつきにくい「バイコート®」と「MRSコーティング」をご提案しました。テストピースでご確認いただいたところ、どちらのコーティングもくっつき防止効果に優れていましたが、お客様でのご検討により「MRS-102」が採用されました。
以前は2日に1回のトラブルが発生していましたが、コーティングを実施以降は1ヶ月半もの間トラブルなしという目覚ましい結果を得ました。メンテナンス間隔は20倍に伸び、不良品による年間数万トンに及ぶ材料ロスを解消することができました。
またコーティングにより刃先が守られ、作業者が手を切るトラブルも減少しました。
切断刃への付着防止やMRSコーティング
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