お客様では、ポリエチレン(以下:PE)を熱溶着ではりあわせて容器を成形していました。熱溶着では、完成品の容器形状を半分に割った形状の材料同士の、接着させる面に熱板を当てて部分的にPEを溶かしてから、両者を加圧して冷却・固着させます。熱板には、溶けたPEがくっつくのを防ぐため他社でフッ素樹脂を加工されていました。しかしPEを溶かした際にねばついて糸引きと呼ばれる現象が起き、熱板にPEのカスが付着。それによって製品にもカスが付いて不良が発生していました。
製品製造にかける時間=タクトタイムを変えることなく製品不良を低減し、また汚れた熱板の取り換え作業も省きたいとのご相談でした。
ご相談を受けて、吉田SKTでは熱板の離型効果に実績のある「CHCコーティング」をご提案。早速お客様でテストしていただきました。すると離型性は良く、数千ショットは糸引きなくご使用いただけました。しかし、現在の2倍ほど効果が持続しないと、費用対効果が悪いとのご相談があり、さらなるコーティングの改良を行いました。
「CHCコーティング」は通常のフッ素樹脂コーティングの熱時硬度を高めたもので、高温でのコーティング寿命を延ばすことができます。今回は離型効果の持続のため、接触面積低減効果の高い「TPコーティング」と「CHCコーティング」を組み合わせた新しいコーティングをご提案。「CHCコーティング」の2倍のショット数を実現しました。現在、量産のためテストを継続中です。
ポリエチレンの糸引き防止やCHC
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