フッ素ゴムシートをポンチで打ち抜いてカットすることで成形し、製品を作る工程でのご相談でした。柔らかく付着性のあるゴムシートがずれないように押さえ板で固定して、ポンチで打ち抜いていましたが、押さえ板を外す際にゴムシートが張りついてしまい、それによってシートがずれたり、しわが寄ったりして工程のロスにつながっていました。
お客さまではすでに、表面を粗面化(凹凸形成)することで付着を防止する他社のコーティングを押さえ板にお使いになっていました。しかし、十分に付着を防止することができず、ゴムの張りつきトラブルに改善がみられなかったため弊社にご相談いただきました。
吉田SKTには離型性に優れるシリコーン系の処理「MRSコーティング」もありますが、今回はシリコーンが使えない条件でした。
フッ素樹脂系の「ナノプロセス®」、合金系の「スーパーアロイコーティング」のテストピースをご用意し、お客様に実際のゴムシートで張りつき具合を試していただきました。すると、合金系非粘着コーティングの「スーパ―アロイコーティング」は「ナノプロセス®」に比べて、表面粗度をより大きく調整できるため、ゴムの張りつきを効果的に防止できテストピースでの評価が良好でした。
早速実機でテストしていただいたところ、押さえ板への張りつきはなくなり、シートにしわが寄ることで起きていた製品不良を改善。位置決めもスムーズで、生産効率が向上しました。
その後、ゴムシートを打ち抜く際の位置決め治具へのコーティングにもご採用いただきトラブルなくご使用いただいております。
ゴムの張りつきやスーパーアロイコーティング
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