イオン交換樹脂を搬送する装置で、ホッパー、スクリュー、ケーシングなどを使用していました。
イオン交換樹脂は濡れた状態で搬送されるため、水分でこれらの装置に張りついてしまいます。しかも張りついた樹脂は徐々に水分を失い性質が変化してしまうため、搬送装置への張りつき防止対策が必要でした。
当初、イオン交換樹脂の張りつき防止にフッ素樹脂コーティングが検討されました。PTFEやPFAといったフッ素樹脂は非粘着性に優れるため、さまざまな素材の離型に使用されます。
しかし今回、フッ素樹脂コーティングをしたサンプルにイオン交換樹脂を張りつけて、付着具合を確認したところ、コーティング未処理の金属と同様に張りついて取れませんでした。
実験では、イオン交換樹脂は小さなビーズ形状で濡れているため、フッ素樹脂の平らな表面に水分によって張りついてしまうことがわかりました。そこで、水分の影響を少なくするため表面に微細な凸面を形成する「TPコーティング」をテスト。数種類のテストで、最も張りつきにくい「TP-431」が採用され、搬送装置の稼働の安定化につながりました。
搬送装置のトラブル改善やTPコーティング
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