カートリッジフィルターを製造するお客様で、製品を溶着する熱溶着板に樹脂が付着して問題となっていました。
カートリッジフィルターは、PP(ポリプロピレン)製の容器にフィルターを入れた後、蓋を熱溶着することで製品となりますが、PP樹脂の熱融着工程は高温環境のため、熱や圧力によって糸ひきや溶着治具への付着が発生。製品の気密性や美観や生産効率に悪影響を及ぼしていました。
そのため、熱溶着板の表面には離型性に加えて耐熱性や熱耐久性が必要でした。
試作の際、通常のフッ素樹脂コーティングに加えて、接触面積を低減するフッ素樹脂コーティング「TP-855」をご提案しました。
今回は比較的圧力の低い溶着工程だったため、凹凸で表面形状を調整できる接触面積低減フッ素樹脂コーティングで離型性が向上。糸ひきや付着が起きにくくなりました。また離型効果だけでなく、比較的長寿命に使用できていました。
そこで、さらに離型効果の寿命を延ばすため、熱時硬度(加熱された状態での膜の強さ)の高い「CHCシリーズ」と、接触面積低減フッ素樹脂コーティング「TPシリーズ」のハイブリッドができないか検討を進めました。
熱時硬度と接触面積低減を両立した「CHC-1311」によって、コーティングの摩耗による金属露出もなくご使用いただけるようになりました。
製造は問題なく継続できるようになりましたが、定期的な清掃が必要なため、さらに清掃頻度を減らせる新たなコーティングを継続開発中です。
熱溶着工程の付着防止やCHC
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