リチウムイオンバッテリーの製造に使用されるOPPテープをカットする設備では、テープが動かないように粘着面を吸着パッドにバキュームし、フィルム面をゴムシートで押さえてカットします。
吸着パッドにテープの粘着面が張りついて取れなくなるとラインが停止してしまうため、吸着パッドの表面には、離型性を高めるための表面処理がされていました。しかし、この表面処理は10日ほどで離型効果がなくなって再加工が必要となり、この再加工にかかる期間のほうが離型効果の持続期間より長いため、吸着パッドを実際の稼働数に対して多めに用意しなければなりませんでした。
テープの粘着面に対する離型効果に加えて、その効果の持続性にも優れた表面処理を探していました。また、付着した粘着剤を落とすために吸着パッドを洗浄すると、表面処理効果まで失われてしまうことも問題になっていました。
粘着テープのようなべたつくものに対しても離型性に優れる「ナノプロセス® TLSシリーズ」や「MRSコーティング」が候補に挙がり、洗浄しても効果が持続する6種類の表面処理をご提案しました。
なかでも基材の表面粗さを調整した「ナノプロセス® TLS-200」は、IPA (イソプロピルアルコール)を使用して洗浄しても離型性を失いませんでした。離型効果とその持続性を両立できたことで、従来の表面処理に比べて3~4倍の期間、続けて使用することができました。
その後も何度かテストを行い、正式にご採用いただき、現在では問題なく稼働しています。
粘着剤の付着防止やナノプロセス®
についてのご相談はこちら
工程カイゼン事例をまとめた資料